国語は、他の教科と違い、できるかできないかはセンスで片づけられたり、日本語なんだから何とかなるだろと言って、具体的な勉強をしないままに終わってしまう事が多いのではないでしょうか。

誰かに「国語の勉強法って何かありますか?」と相談しても、「本をたくさん読んだ方がいい!」と漠然とした答えが返ってくることも多いと思います。

たしかに、本をたくさん読めば読解力は向上します。そして、本はたくさん読んだ方がいいと思いますが、実際には本好きのお子さんでなければ、読解力をつけるためにたくさん本を読むという方法は難しいのが現実ではないでしょうか。

そこで今回は、すぐに活用できる、読解力をあげていく具体的なテクニックをご紹介します。

それは、“接続詞”に注目することです。

なぜなら、接続詞やつなぎの言葉は、文の流れや構造を理解する上でとても重要であり、テストでは設問の答えのヒントとなる部分の多くが接続詞の前後の文章である確率が高いからです。

まず、文章を読むときに、接続詞が出てきたら□(四角)で囲む習慣をつけましょう。接続詞を意識することにより、文章の流れがわかり、内容の理解がしやすくなります。

そして、あらかじめ□で囲んでおけば、後で探す際に一目で見つけることができるので解答時間の短縮にもつながっていきます。

例えば、

①「Aくんは、動物が好きだ。しかし、犬は嫌いだ。」

②「Aくんは犬は嫌いだ。しかし。動物は好きだ。」

2つの文章は言葉の順番が違うだけですが、伝わる内容は違いますよね。

①はAくんが犬が嫌いだということが強調されていて、

②はAくんが動物が好きだということが強調されています。

「しかし」の前と後の文章では、どちらが重要かというと、後の文章です。「しかし」など逆説の意味をもつ接続詞が出てきたら、その後を重点的に読むことが大切になります。そこに筆者の主張したい内容が入っているからですね。

簡単な例ではありますが、このように接続詞を意識するだけでも、グンと文章の読解力は上がります。

代表的な接続詞

重要な4つの接続詞

①【しかし・だが・けれども、ところが】(逆説)・・・前の文とは逆の内容で後ろの文につなげる働きがあります。

逆説の接続詞の後には、筆者の主張がくることが多くなります。

上記の例文①「Aくんは動物が好きだ。しかし、犬は嫌いだ」という文章も、「Aくんは犬が嫌いだ」というだけでも意味は同じです。

でも「Aくんは動物が好きだ」という内容を伝えてから否定することにより、単に「犬は嫌いだ」と書くよりも、読み手に強い印象を与えて、筆者の主張が強調さ
れます。

論説文では、何か、筆者の伝えたい主張を分かってもらうために書く文章ですから、読み手に対してより強い印象や説得力を与えなければいけません。

ですので、逆説の接続詞の後には筆者の主張が書かれることが多くなるのですね。

②【つまり・要するに・すなわち】(要約・説明)・・・前の内容をまとめたり、言い換えたりする働き

これらの接続詞が出てきたら、それまでの文章をまとめた内容になりますので、中心となる文章になりやすいです。

いろいろしゃべったけど、1番言いたいのは、つまりこういう事なんだよね・・・
こんな感じで筆者が要旨をまとめてくれているのです。

ただし、本論ではない部分をまとめている場合もありますのでご注意ください。

③【なぜなら・というのも】(理由)・・・前の内容の理由を説明する働き

これらの接続詞は通常、筆者の主張の理由を説明するときに出てきます。
つまり、理由や説明を問う設問の場合は、答えはこの接続詞の後である可能性が高いということです。

逆に、筆者の主張を探したい時には、この接続詞の前を探すとそこにある可能性が高く、設問の解答になる確率も高くなります。

④【たとえば・いわば】(例示)・・・具体例をあげて分かりやすく説明する働き

その名のとおり、これらの接続詞の後には具体例が出てきます。

具体例を挙げなさいという設問の場合は、重要なヒントになりますし、これらの接続詞の前には筆者の主張があるケースが多いので注意して探してみて下さい。

ちなみに「具体」とはどういうことかというと、

抽象→ぼんやりとして大まかなもの

例:甘いもの

具体→詳しくこまかいもの

例:チョコレート、ケーキ、アイスクリーム、シュークリーム

このように、「抽象」とは、物事からある要素を抜き出したあいまいなもので、「具

体」とは、より詳しく、認識されうる形や内容を備えているものになります。

文章をどう読んでいいか分からずに、国語を苦手にしている生徒さんも、

まず上記の4つの接続詞を意識して文章を読んでみてください。今までよりも文章の内容(筆者の主張)が理解しやすくなり、設問にも答えやすくなるはずですよ。

トレーニングをすれば読解力も必ず向上するので、ガンバってください!!

家庭教師で国語を強化

ガンバ  今村 剛