「高校受験って、何教科で受けるの?」
「公立と私立で違うの?」
「どの教科から手をつければよいかわからない…」
高校受験を控えた中学生のお子さんや保護者の方で、このようにお悩みの方は多いのではないでしょうか?結論から言うと、公立高校か私立高校かによって受験教科数は異なります。また、公立・私立ともに、学校や受験方法によって教科数が異なる場合もあります。
大切なのは、志望する高校の受験教科や傾向に合わせて対策を行うことです。そこでこの記事では、「高校受験の教科」に注目し、
1、受験教科数の違いと例(公立高校・私立高校)
2、対策のポイント(公立高校・私立高校)
3、高校受験で特に大事な教科
これら3つについて、2025年度受験の情報とともに解説していきます。
公立高校の受験教科数は「5教科」が一般的
公立高校の受験教科は、英語・数学・国語・理科・社会の「5教科」が一般的です。これらの試験の点数に、中学校の内申点(調査書)も加味されます。ただ、同じ公立高校でも、地域や学校によっては受験教科が「5教科」であったり、「3教科」であったり、小論文などがプラスされるケースもあります。
例として、2025年度受験に向けた、公立高校のケースをいくつかあげてみます。
公立高校の例① 東京都(都立高校・全日制)の一般入試
都立高校では受験形態として、推薦入試と学力試験入試(一般入試)とがあります。推薦入試は調査書、面接、実技などで選考されるため、教科による学力試験は基本的に実施されません。そのため、ここでは学力試験入試(一般入試)を例として挙げます。学力試験入試(一般入試)には次の3つがあります。
①第一次募集
②第二次募集
③分割募集
それぞれの受験教科は次のようになっています。
①第一次募集
原則として、すべての都立高校が第一次募集を行います。
【受験教科】
英語・数学・国語・理科・社会の「5教科」
(芸術・体育に関する学科は「3教科」+実技検査)
②第二次募集
第一次募集の後、入学手続をした人が募集人員に達しない学校は、第二次募集を行います。
【受験教科】
英語・数学・国語の「3教科」
(※学校によっては、プラスで面接、小論文又は作文、実技検査を実施する場合あり)
③分割募集
学校によっては、あらかじめ募集人員を分割し、第一次募集期間における募集(分割前期募集)と第二次募集期間における募集(分割後期募集)の2回に分けて募集を行います。
【受験教科】
英語・数学・国語・理科・社会の「5教科」
(※学校によっては、プラスで面接、小論文又は作文、実技検査を実施する場合あり)
このように、都立高校の一般入試(学力試験入試)では受験するタイミングによって5教科か3教科かが変わってきます。
(参考:「東京都教育委員会ホームページ」)
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/
公立高校の例② 栃木県(県立高校・全日制)の一般入試
栃木県の県立高校では受験形態として、一般入試と特色選抜(かつての推薦入学より変更)があります。特色選抜は志望理由、面接、実技などで選考されるため、教科による学力試験は基本的に実施されません。そのため、ここでは一般入試を例として挙げます。
◆一般入試
【受験教科】
英語・数学・国語・理科・社会の「5教科」
(一部の学校や科によっては面接、実技)
このように、栃木県の県立高校(全日制)の一般入試では、受験教科は5教科となっています。
(参考:「栃木県HP/令和7(2025)年度県立高等学校入学者選抜に関するお知らせ」)https://www.pref.tochigi.lg.jp/index.html
私立高校の受験教科数は「3教科」が一般的
私立高校の受験教科は、基本的に英語・数学・国語の「3教科」の学校が多いです。ただし学校によって異なるため、理科・社会を加えた「5教科」の場合もあります。
また、私立高校は学校ごとの特色が公立高校より強い傾向にあるため、受験する学校の要項や入試情報を必ずチェックしておく必要があります。例として、2025年度受験に向けた、私立高校のケースをいくつか挙げてみます。
私立高校の例① 東京都にある私立A高校(全日制)の一般入試
東京都にある、私立A高校の例を見てみましょう。こちらの高校では受験形態として推薦入試、一般入試、帰国生徒の入試があります。公立高校と同じく一般入試でのみ教科による学力試験が実施されているため、一般入試を例として挙げます。
◆一般入試
【受験教科】
英語・数学・国語の「3教科」
(※面接等はなし)
【時間配分】
英語 (100点満点/70分)
数学 (100点満点/60分)
国語 (100点満点/60分)
このように、3教科による入試であることがわかります。時間配分も書かれており、英語のテスト時間が他教科より10分長いこともわかります。
また、こちらの高校ではHP上にて、報告書や調査書の内容は確認するけれど内申点としては加味しない旨が書かれています。
私立高校の例② 神奈川県にある私立B高校(全日制)の一般入試
続いて神奈川県にある私立B高校の例を見てみましょう。
◆一般入試
【受験教科】
英語・数学・国語の「3教科」
上記のように、私立B高校でも一般入試は3教科による学力テストであることがわかります。こちらの高校では、内申や欠席日数などが高校の定める基準に達している場合、一般入試でもエントリーシートによる書類選考での合否判断という受験方法もあります。
私立高校の例③ 千葉県にある私立C高校(全日制)の一般入試
もうひとつ、受験教科が5教科の私立C高校の例も見てみましょう。こちらは2025年度の募集要項がまだ公開されていないため、昨年度の内容を用いています。
◆一般入試
【受験教科】
英語・数学・国語・理科・社会の「5教科」
【時間配分】
英語(100点満点/60分)
国語(100点満点/60分)
数学(100点満点/60分)
社会(100点満点/50分)
理科(100点満点/50分)
こちらの高校では一般入試が5教科で、試験結果と出願書類(調査書)を総合して選考するとされています。3教科の方が時間配分が10分ずつ多いこともわかります。
このように、私立の高校受験教科は3教科を基本としながら、学校によって異なっています。
高校受験|教科対策のポイント【公立】
受験教科の対策については、公立高校と私立高校、もしくは5教科か3教科かによってポイントが異なります。公立高校(5教科)の教科対策のポイントは、次の2つです。
5教科をバランスよく対策
公立高校では5教科をバランスよく対策していかなければなりません。5教科にバランスよく取り組むには、さらに次の点がポイントです。
効率的に勉強を進めていくためには、学習計画を立てることが欠かせません。短期間ごとに目標を設定し、具体的な学習計画を立てましょう。
学習計画を立てる際には自分の学力を把握しなければなりません。その際に役立つのが定期テストや模試の結果です。得意・不得意や理解できていないところを見つけるのに役立ててください。また、定期テスト対策と受験勉強を両立することで、以下でお伝えする内申点アップにもつながります。
内申点にも注意
公立高校では、当日の学力テストの点数だけでなく、中学校の成績、いわゆる「内申点」も合否に影響します。ですので、内申点を上げることも頭に入れておきましょう。内申点は次のような内容などによって評価がつけられます。
【内申点の評価内容例】
- 定期テストの点数
- 授業態度
- 提出物
- 出席日数
これらを考えると、内申点を上げるポイントは次のことが考えられます。
また、内申点に関する次の2点は都道府県によって異なります。
- 内申点が合否に影響する割合
- 内申点に利用する時期(期間)
たとえば東京都の都立高校では、「当日の学力検査:内申点=7:3」、あるいは「当日の学力検査:内申点=6:4」という比率を用いているケースがあるようです。また、地域によっては内申点に中1~中2までの成績を利用するところと、中2~中3までの成績を利用するところなどの違いがあります。
これらはあらかじめ、お住まいの地域の情報を確認しておきたいところです。なお、私立高校では一般入試の場合内申点は余り加味されないケースが多いですが、先ほどお伝えした例のように、内申点が加味される私立高校もあります。
ほとんどの場合、志望校の募集要項や入試概要などに内申点が加味されるかどうかが記載されているので、確認しておきましょう。内申点がよいと推薦を利用できる可能性も高くなるので、受験のチャンスが増えるというメリットもあります。
内申点については、次の記事も参考にしてください。
<関連記事>内申点ってどれくらい取れば行きたい高校にいけるの?理想の進学先を目指すために
高校受験|教科対策のポイント【私立】
私立高校の場合、学校によって重視される教科や、出題傾向に特色があるケースが多いです。ですので、「志望高校の傾向に合わせて重点的に対策」することがとても大切です。
たとえば英語に力を入れている学校を受験する場合、試験の中での英語の比重は大きくなるでしょう。したがって、英語の試験対策を徹底的に行うことがポイントです。
また、国語でも漢字問題が多く出題される学校があったり、長文読解が特色の学校があったりします。数学では基本的な公式や問題が多い学校があったり、図形問題が多い学校があったりします。
志望校の傾向は、過去問題集や予想問題集、塾や家庭教師などが持っているデータや情報などを上手く活用しましょう。
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高校受験で特に大事な教科は?
高校受験の教科では、英語・数学・国語の「3教科」は特に大事な教科と言えます。この3教科は、私立高校・公立高校の両方の受験でほぼ必要な教科だからです。もちろん志望する高校の受験教科が3教科の場合は3教科、5教科の場合は5教科全部が大事です。ですが、英語・数学・国語の3教科は、毎日の学習に必ず取り入れたい教科でもあります。
英語・数学・国語の3教科では、基本的に次の内容がベースとなります。
お伝えしたように私立高校の場合は学校によって出題傾向が異なりますが、基本的な学習は受験勉強の土台となります。基礎固めをしっかりとし、苦手なところを克服しながら、過去問などの本格的な受験対策に取り組むといいでしょう。
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まとめ
高校受験の教科は公立高校では5教科、私立高校では3教科のところが多いです。ただ、学校によっては公立高校でも3教科だったり、私立高校でも5教科だったりすることもあります。必ずお住まいの地域や志望校の受験教科を確認しておきましょう。
主に公立高校では「学力テスト結果+内申点」で合否が決まるケースが多いため、内申点アップにも取り組んでおくとよいです。私立高校では、出題傾向に合わせて重点的に対策をしましょう。今回の記事がお子さんの高校受験の準備に、少しでもお役に立てるとうれしいです!
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