中学生のお子さんが不登校になったとき、多くのご家庭で悩まれることの一つに「通知表」があると思います。
「学校に行けていないから、評価は全部斜線(/)なのかな…」
「もしかして、全部1がついてしまうの?」
そんなふうに、モヤモヤした気持ちを抱えていらっしゃる保護者の方も多いのではないでしょうか。でも実は、不登校だからといって“評価されない”と決まっているわけではないんです。
通知表のつけ方は、実は学校や先生によって違いがあります。だからこそ、おうちの方の関わり方次第で「ちゃんと頑張りを見てもらえる」可能性もあるんです。
そこで、この記事では不登校の中学生をもつお母さん・お父さんに向けて、
・評価を少しでも上げるために、家庭でできることって?
・勉強の遅れをカバーするにはどうすればいい?
といったポイントをわかりやすくまとめました。お子さんの状況に寄り添いながら、「今できること」のご参考にしていただければ嬉しく思います。
中学校の不登校、通知表ではどう評価されるの?
はじめに、不登校のお子さんが通知表でどう評価されるのか、そして良い評価がつくためにはどんな関わり方があるのかを、わかりやすく説明します。
学校の方針によっては「斜線」や「オール1」がつくことも
結論からお伝えすると、不登校のお子さんの通知表には「斜線(/)」がついたり、「評定1」が並ぶケースも、実際にあります。これは、学校の先生が成績や意欲を正確に判断できなかったときに選ばれる対応なんです。
中学校の通知表は、観点別評価(A・B・C)と、最終的な評定(1〜5)の2つで構成されています。それぞれの科目について、次の3つの観点がチェックされるようです。
1.知識・技能・・・テストの基礎問題や、授業中の小テストなど
2.思考・判断・表現・・・応用問題や記述問題、レポートなど
3.主体的に学習に取り組む態度・・・授業への参加の様子や、学習への意欲
どれも、「授業に出席していること」が前提になっているため、学校に通えていない状態では、先生も評価をつけにくくなってしまうんです。
そのため、出席がほとんどない場合は「評価不能」として斜線が入ったり、「全体的に判断が難しい」とされて評定1がついてしまうケースもあるようです。
テストや提出物が評価につながることも!
とはいえ、すべてが「評価されない」わけではありません。たとえば、登校はできていなくても、テストだけは受けに行ったり、課題を提出しているお子さんもいます。そういった取り組みがあれば、通知表でしっかりと評価してもらえる可能性もあるんです。
通知表の評価の中でも、「知識・技能」や「思考・判断・表現」はテストの点数が大きく影響します。少しでもテストを受けていれば、その結果に応じた評価をしてもらえるケースが多いです。さらに、課題や提出物をきちんと出す姿勢は、「主体的に学習に取り組む態度」にもプラスの影響を与えます。
このように、不登校でも学校との関わりがある程度ある場合は、「斜線ばかり」「オール1」といった状態にはならないことも多いんです。
不登校でも通知表で高評価を得るために、親ができること
通知表の評価が思わしくないと、「このままで高校に進めるのかな…」と不安になることもあると思います。でも実は、保護者の方の関わり方しだいで、通知表の評価を少しずつ上げていくことは可能なんです。
ここでは、不登校のお子さんの評価アップにつながる親のサポートについて、具体的にご紹介します。
学校と連携できる施設を活用して「がんばり」を伝える
まず何より大切なのは、お子さんの気持ちに寄り添うこと。「とにかく学校に戻して成績を上げなきゃ!」と急いでしまうと、かえってお子さんの心が閉ざされてしまうこともあります。
とはいえ、自宅学習だけでは、学校の先生にお子さんの努力が伝わりにくいのも現実です。そんなときにおすすめしたいのが、学校と連携できる教育支援施設の活用です。
文部科学省では、「誰一人取り残さない学び」をテーマに「COCOLOプラン」という不登校対策を進めており、学校外での学習も、条件を満たせば通知表の評価に反映できる仕組みが整ってきています。つまり、学校の外でも「学び」を続けていれば、その成果をしっかり認めてもらえる可能性があるんです。
(参照:不登校児童生徒への支援について | 文部科学省)
(参照:不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果の成績評価に係る法令改正について | 文部科学省)
公立校と連携しやすい「教育支援センター」
文部科学省も例に挙げているのが、教育支援センター。これは各地の教育委員会が設置している公的な支援施設で、不登校のお子さんの「居場所」として、学習支援や相談支援を行っています。
・学校から配布されたプリントに取り組んだり
・センターを通して学校のオンライン授業を受けたり
こうした取り組みが評価につながることもあるんです。中学校とも連携しやすいため、学校の先生にもお子さんの様子が伝わりやすいというメリットがあります。
利用するには、中学校長の許可申請などが必要になるため、まずは学校に相談してみましょう。
出席扱い制度のあるフリースクールも選択肢に
近くに教育支援センターがない場合は、民間のフリースクールも選択肢になります。ポイントは「出席扱い制度」があるかどうか。
これは、フリースクールでの学習活動を、在籍中学校の出席日数としてカウントしてもらえる仕組みです。学校に通うのが難しいお子さんにとっては、大きな力になる制度ではないでしょうか。
ただし、すべてのフリースクールが対象になるわけではなく、中学校と連携できる体制が整っている必要があります。事前に制度の有無をしっかり確認しましょう。
中学校への復帰を目指すなら、少しずつ段階を踏んで
「また学校に行けるようになりたい」とお子さんが願っているなら、焦らずスモールステップでサポートしてあげることが大切です。お子さんのペースで、「できること」を少しずつ増やしていけるといいと思います。
最初の一歩に「オンライン授業」がおすすめ
いきなり教室に戻るのはハードルが高くても、オンラインで授業に参加するという方法もあります。学習の遅れを防ぎながら、先生やクラスとのつながりを感じられるのがメリットです。
学校によっては、教育支援センターを通じてオンライン授業に参加できるケースもあります。まずは学校に相談して、可能性を探ってみましょう。
別室登校や、遅刻・早退の調整も視野に
学校に復帰したい気持ちがあっても、最初からフルで登校するのは負担が大きいもの。そんなときは、
・保健室や別室からスタートする
・午前中だけ参加する
・授業の一部だけ出席する
など、段階的な登校スタイルも考えてみましょう。お子さんの「がんばれたこと」を少しずつ認めてあげることが、次のステップへの自信につながります。
提出物の対応も評価に直結します!
実は見落とされがちなのが、提出物の対応。プリントや課題をしっかり提出していれば、通知表の評価にきちんと反映されます。評価不能やオール1を避けられる可能性も高まるはずです。
定期的に学校へプリントを取りに行き、提出する必要がありますが、お子さん自身が行けそうなら、それも学校との貴重な接点になります。難しい場合は、お母さん・お父さんが代わりに受け取って届けることも可能だと思います。
【中学生】不登校でも成績を落とさないための学習方法
お子さんが「がんばろう」と前向きになっても、勉強がうまくいかないと、自信をなくしてしまうことがありますよね。
とくに不登校の場合は、学習の遅れが心配になるもの。でも、工夫次第で成績をキープすることは十分可能です。ここでは、不登校の状態でも無理なく続けられる、代表的な勉強方法をご紹介します。
学校と同じような授業が受けられる環境を整える
まず大切なのは、「学校と同じような学びの場」を用意してあげることです。たとえば、学校の授業をオンラインで受けられる環境が整えば、それが一番理想的です。
学校の授業に参加するのが難しい場合は、フリースクールでの学習も選択肢のひとつです。学校の進度に合わせた指導を受けられるフリースクールであれば、学力の遅れを防ぐことができます。
フリースクールには、わからないところをすぐに質問できる先生やスタッフがいることが多いので、「わからない」をそのままにしない環境づくりにもつながります。
マンツーマンの個別支援なら家庭教師もおすすめ
「集団の中で勉強するのが難しい」「登校や外出自体にハードルがある」という場合には、家庭教師のサポートもとても効果的です。
家庭教師なら、お子さん一人ひとりのペースや得意・不得意に合わせて、丁寧に対応してくれます。学校の進度に合わせて勉強を進めることも、苦手を集中して克服することも可能です。
自分のペースで進めたいなら通信教育も◎
人と関わらずに、自分のペースで勉強したいお子さんには、通信教育もぴったりです。最近はタブレット学習が中心で、教科ごとの映像授業がついている教材も多く、学校の復習から受験対策まで対応しています。
わからない部分があっても、ほとんどの教材でオンライン質問サービスがついているので安心です。「時間にしばられず、自分のペースで進めたい」「決まった時間に授業を受けるのがつらい」というタイプのお子さんには、とても相性のよい学習方法だと思います。
まとめ|不登校でも、通知表の評価を上げるチャンスはあります
近年は教育の制度も少しずつ変わってきていて、学校外での学びや取り組みも、通知表の評価に反映されるようになってきています。
たとえば、教育支援センターで学習支援を受けたり、中学校と連携しているフリースクールに通ったりすることも、きちんと努力として評価されるような仕組みが整いつつあるんです。
「うちの子は不登校だから…」と、可能性をあきらめずに、お子さんの気持ちや状況に寄り添いながら、一人ひとりに合った進路を一緒に見つけていくことができます。
少しずつでも構いません。お子さん自身が「この道なら進んでみたい」と思えるような選択肢を見つけることが、未来への一歩になるはずです。
家庭教師のガンバでは年間100人以上の不登校のお子さんの家庭教師をお任せいただいています。
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