不登校の最初の段階では、何よりも気持ちの安定が求められます。

しかし、その気持ちが少しずつ落ち着いてきた時、今度は不登校に陥っている自分自身を責めてしまう人も多いです。

学校に行けないまま部屋の中にいる自分を、ダメな人間だと感じてしまうこともありますよね。

勉強がどんどん遅れていく不安も大きいと思いますが、不登校中の自分を責める必要はありません。

学校生活の代わりとなる居場所はいくつもあるので、復帰ばかりを考えて焦らず、できそうなことからやってみましょう。

将来の夢や目標なども同時に見つけられるかもしれません。

不登校の状況のとらえ方

学校に行けなくなってしまう人の多くは、親や先生に言えない悩みを抱えながら1人で苦しんでいます。

不登校という状態そのものを、問題視したり心配したりすることもあるかもしれませんが、心に負ったダメージから回復するには、学校を休んででも安心できる居場所に避難しなければなりません。

そのため、まずは自宅をどこよりも一番安心できる居場所にしましょう。学校で無理をして回復できない傷を抱えてしまう前に、休息するのが大事なのです。

 

不登校中は自己肯定感が低下しやすく自分を責めやすい心理状態になっているので、自分が受け入れられている感覚や安心できる状況が必須となります。制限や強制、周りに合わせた考え方や行動など、精神的な負担を遠ざけて心を落ち着けるための時間です。

とは言え社会性を育むことも、生きていくうえでは誰にとっても欠かせませないので、不登校になってから少し気持ちが落ち着いてきたらなら、無理のない範囲で次のステップに進んでみましょう。

 

学校生活の代わりとなる居場所は、思っているよりもたくさんあります。学校の集団生活には馴染めなかったとしても、他の場所の仲間とはよりよい交流を持てるかもしれません。環境を変えてみるという意味でも、学校生活の代替形態を探すことには大きな意義があります。他者と交流を持ちながら過ごせばコミュニケーションの自信をつけやすくなるので、精神的な安定にもつながりますね。

学校生活の代替

学校生活に代わる居場所作りは必ずできます。気持ちが落ち着いているのであれば、勉強やコミュニケーションに適した場所を探してみましょう。

 

フリースクール

フリースクールにも様々な形態や運営方針があります。

学校復帰を目標にしているスクールもあれば、居場所作りのための役割に重点を置いているところもあるので、本人に合ったスクールの特徴を見極める時間を取りましょう。

医療機関や専門家と連携しているフリースクールのように、より細やかなケアを行っている運営者もいます。学習面をサポートしてほしいのか、総合的な支援が必要なのか、状況に合わせた考え方が必要です。

そして、まだ実例は少ないのが現実ですが、フリースクールに通うことで出席扱いになるケースもあります。ただ、出席カウントを認める学校のほとんどは小学校や中学校なので、高校生が同様の配慮を受けるのは難しいようですが、フリースクールと似たような形態にサポート校というものがあります。

フリースクールよりも学習支援に力を入れている民間の機関なので、学習塾などによる運営が多い傾向です。サポート校は基本的に高校生の年代向けであり、利用者には通信制高校の在籍者が多く、入学するためには一定の資格も必要になります。

 

通信制高校

通信制高校は、毎日学校に通う必要はないので、自宅学習がメインとなり、自分のペースで勉強しやすい環境だと思います。

特別に認められて出席扱いになるフリースクールとは異なり、通信制高校を卒業することで高校卒業の資格を得られます。将来のことを見据えて通信制高校を選択する人も多く、どこかに「所属している」という意識が持てるので社会的な感覚にも良い影響を与えやすいでしょう。

 

学習塾

勉強の遅れが心配な場合には、学習指導塾は適した場所の1つとなります。

個別指導や集団クラスのように塾ごとに様々な方式があるので、馴染みやすそうなところをいくつか比較してみましょう。

自宅や学校から近い場所にある塾なら、同じ学校の人と顔を合わせるタイミングもあるかもしれません。同級生に会いたくないなら昼間の時間を活用することもできますし、反対に同級生と塾で顔を合わせることによって学校に行きやすい雰囲気ができることもあります。

塾は強制ではなく自由な意志で選べるので、通いやすいところが見つかれば勉強に自信を持てるようになると思います。

保健室登校

学校に登校はしても、自分のクラスには行かないという選択肢もあります。

拒否感が学校そのものにあるのではなく、そのクラスに馴染めなかったりトラブルがあったりする場合に選択しやすい居場所です。保健室で授業を受けるため登校する習慣は続けられます。

周りに学校の人がいる環境なので、学年が上がったタイミングなどでクラスに復帰しやすい状況を作りやすいと思います。

学校復帰だけがゴールとは限らない

学校生活では勉強や社会性を身につけられますが、学校に行くことだけが人生の全てではありません。

フリースクールなどでも人と接することはできますし、自宅学習に励んで勉強のスキルを伸ばすこともできます。国としても学校生活だけが全てではないと、従来の方針に変化を見せています。自分に合った居場所を見つけることで、学校生活と同じか、それ以上の有意義な経験ができるかもしれませんね。

自宅で有意義な生活を送るには

学校復帰以外の目的を定めると、自分の将来も前向きにとらえられます。投げやりになったり諦めたりすることなく、今できることをゆっくり考えましょう。

 

ネット高校という新たな形態

昔から通信制高校はありますが、近年はネット高校という方式も出てきました。

制度は通信制高校とほとんど同じなので、高校卒業の資格が獲得できます。さらにICTの技術を活用して授業を進めるため、興味のある分野や専門のスキルを伸ばせる可能性もあります。

インターネットを使っているので、通信制高校に比べて登校日数が少ないのも特徴です。自宅にいながら、なおかつ時間を効率的に使いながら勉強することで、将来の目標も意欲的に定めやすくなります。

 

家庭教師による授業

自主学習にしてもネット高校にしても、自分自身の努力は不可欠ですが、どんなに勉強に対する意欲が高くても、分からないところでつまずいてしまうこともありますよね。

いつも目の前に先生がいるわけではなく、質問したくてもできない状況はとてもじれったいものです。学校に行けない間でも学習のサポート役が必要ならば、家庭教師が最適だと思います。

学校の授業と同じような進度で勉強することも、自分のペースに合わせて柔軟に勉強することもできるので、融通が利きやすいのもメリットですね。自宅からは出ることなく、家族以外の人と接する時間にもなりますし、何時から授業の約束があるという意識は、社会と同じ時間の感覚を共有することにもなると思います。学校復帰を目指したくなったときに、授業の進み具合と合わせた指導もできるので心強いはずです。

まとめ

不登校生のための学校生活の代替形態には色々なものがあります。

ある人にとって適している場所が自分にとっても居心地がいいとは限らないので、本人に合った生活環境に重点を置きましょう。また、無理に学校復帰をゴールとして定めないのも大事です。塾や家庭教師などを利用すれば自宅内での学習はもちろん、人とのコミュニケーション維持も実現させられます。

不登校生がよりよい生活を送る手段は1つではありません。気持ちの負担を抑えながら前に向いて進めば、将来の選択肢も広がると思います。

 

家庭教師のガンバ  今村 剛

不登校生の家庭教師はコチラから