不登校のお子さんに何をしてあげれば良いのか、悩んでいる親御さんは多いです。
育て方に問題があったのだろうかと不安になることもあるでしょう。
学校に行けないお子さん自身も、毎日苦しんでいるはずです。
しかし不登校は本人のせいでもご両親のせいでもありません。
時間はかかっても学校復帰を目指せる可能性もあります。
必要な行動やサポートを考え、前向きに生活へと取り入れていきましょう。
なぜ不登校になるのか
不登校の原因は人によって様々です。
小学校から中学校に上がるタイミングなどで、クラスに馴染めなくなることもあります。
勉強を苦手だと思っている子が、自尊心を傷つけられてしまうこともあるでしょう。
学校での問題ではなく、家庭での生活習慣が原因になることもあります。
夜遅くまでゲームをしていて朝起きられない日が続き、徐々に不登校になる場合などです。
本人の生活意識の問題ではなく、家庭環境のトラブルが引き金になる子もいます。
あるいはいじめのような深刻な問題がクラスで起きているケースもあります。
このように不登校のきっかけは様々であり、複雑に入り組んでいることがほとんどです。
本人にも原因が分からず、それが余計にストレスを大きくさせます。
積もりに積もった感情が、ある時一気に不登校として表に出てくることもあるでしょう。
10代はとてもデリケートな時期であり、心身共に大きな変化を迎えます。
こういった中で学校に行けなくなる子は多いです。
そのため不登校とは特殊な状況ではないことをまずは念頭に置きましょう。
そのうえでお子さんの復帰を目指し、必要なサポートをしていくべきです。
学校復帰を目指すために必要なこと
学校復帰はほんの数日で実現するものではありません。
本人の気持ちを第1に考え、無理のない範囲で毎日を過ごしましょう。
興味のあることに取り組む
不登校の期間中に何よりも避けるべきは、本人にとって負荷の高い行動です。
何事にも意欲がわかないのであれば、それはまだ休息が必要なタイミングなのでしょう。
ここで大切なのは焦らないことです。
無理をせずに気持ちを整え、何かを始めたくなったらやれば良いのです。
少しずつ何かをやりたい気持ちが高まってきたら、興味のある物事に取り組みましょう。
文科系の趣味でも、地域スポーツへの参加でも、楽しいと思えることをやってみます。
日常の掃除や買い物などでも、自発的にやりたいと思えたなら1歩前進です。
やりたいと思ったことができた体験が、学校復帰の道のりを少しずつ作っていきます。
社会とのつながりを保つ
学校に行けなくても、外に出ること自体が苦痛でなければ散歩をしてみましょう。
1日のうちの短時間だけでも、外を歩くと心身のリフレッシュになります。
地域活動やボランティア活動など、気になる何かがあれば参加してみるのも良いです。
フリースクールなどが近くにあるなら、そこに通ってみるのも1つの手段でしょう。
様々なバックグラウンドを持った生徒がいるため、不登校をハンデとして感じにくいです。
このような社会とのつながりを感じられることは、安心感にもつながります。
フリースクールの場合は勉強の遅れも取り戻せるので、自信や意欲も高まるかもしれません。
早寝早起きの習慣を作っておく
不登校になった場合、学校復帰のネックになりやすいのが夜型の生活習慣です。
明日は朝だけでも学校に行ってみようかと、前向きに考えられる日も時にはあるでしょう。
しかしいざ翌朝になってみて、前の晩に遅くまで起きているとすぐには起床できません。
それではせっかくの意欲的な感情もそこで閉ざされてしまいます。
夜型生活を規則正しい生活習慣に戻すのは簡単ではありません。
そのためまずは早くベッドに入るところから始めれば大丈夫です。
最初のうちは眠くなくても、同じ時間に布団に入る習慣を作るのです。
無理な目標を立ててしまうと、できなかった時にそれがストレスになります。
少しずつ目覚まし時計の設定時間を早めていき、体内時計を朝型サイクルに正しましょう。
意見の押し付けは禁物
不登校から学校復帰までの道のりは、長い目で見ることが欠かせません。
学校に行けなくなった最初の段階では、お子さんを安心させることが先決です。
不登校の自分を責めることがないように、家庭内を休める場所にしてあげましょう。
そのうちに気持ちが落ち着いてくれば、少しずつ活動的になるかもしれません。
正しい生活習慣を作り、興味のある何かに取り組みはじめる子もいるでしょう。
一方で何事にも意欲がわかず、社会とのつながりを拒否するケースもあります。
前向きに復帰を目指していたはずが、途中でうまくいかなくなることもあるはずです。
こういった状況で保護者の方が焦ってしまうことは少なくありません。
しかしここで無理に何かをやらせようとすると、逆効果になる場合があります。
やわらかい表現でも、何かをすすめられること自体をプレッシャーに感じる子は多いです。
「あれをやってみよう」、「これをやってみたらどうか」などの発言には十分注意しましょう。
また、「やりたいことは何かないのか」といった問いかけも控えておくべきです。
聞いている方に悪気はなくても、問い詰められていると感じることもあります。
学校復帰には本人が自分から何かをしたいと思う意欲が欠かせません。
アドバイスしたり手助けしたりしたくなる気持ちは保護者として当然です。
しかしここは辛抱強くこらえ、お子さんの気持ちを気長に見守りましょう。
お子さんが自発的な意識を養うための、サポーターになることが重要です。
学校復帰のために保護者ができること
不登校のお子さんを支えるための、保護者の方の存在は大きいです。
安心と後押しを与え、焦ることなく少しずつ進めるように環境を整えましょう。
安心できる環境作り
学校に行けなくなった子にとって、家庭は唯一とも言える逃げ場になります。
家の中は安全な場所だと感じられることは、結果的に学校復帰を助けるでしょう。
ただでさえ不登校という状況はお子さんの自己肯定感を低下させるものです。
家にいづらい、親に後ろめたいという気持ちはお子さんをさらに追い詰めます。
そのため保護者の方がすべきなのは、お子さんに寄り添うことです。
無理に聞き出そうとせず、本人の話したいタイミングに合わせましょう。
親子の信頼関係を最初に築いておけば、その後のサポートにも良い影響を及ぼします。
学校との連携
学校復帰を考えるうえで、担任の先生とのやり取りはなるべくこまめにしておくべきです。
授業の進み具合や、本人や学校の状況など、知っているのといないのとでは違います。
お互いに連携を取っておけば、復帰の意欲がわいてきた後もスムーズに進めやすいです。
外部機関への相談
不登校の相談や支援機関など、外部機関を利用することもできます。
お子さんのサポートは保護者の方にとっても様々な負担があるはずです。
1人で抱え込まず、必要ならば専門の相談窓口に話してみましょう。
家庭内だけでは見えてこなかったサポートの方法に気付くかもしれません。
家庭教師の利用
不登校のお子さんに対する保護者からの押し付けは禁物です。
しかしそうとは言っても、お子さんの将来を考えれば心配になるのも仕方ありません。
学校復帰が実現しても、勉強についていけるだろうかという気がかりもあるでしょう。
元々勉強が苦手な子ならば、学習の悩みが登校を妨げることもあります。
お子さんのメンタルや生活環境と同じくらいに、学習の習慣は大切です。
少しでも復帰後の手助けになるよう、無理のない範囲で勉強を続けておくのが良いでしょう。
しかし1人で自主学習をするにも限界はあります。
そんな時に家庭教師なら、マンツーマンの丁寧な指導でお子さんのサポートが可能です。
慣れている自宅での学習なので、お子さんの負担も大きくなりにくいでしょう。
勉強面で自信がつけば、学校復帰の第1歩にもなるかもしれません。
まとめ
不登校のお子さんが学校復帰に向けてやるべきことを解説しました。
デリケートな問題なので、確実な解決策があるわけではありません。
しかし前進のための手段はあるため、1歩ずつ前向きに考えていきましょう。
家庭教師を利用すれば、不登校中でも学習の遅れを防げます。
自分でできたという成功体験はお子さんの復帰のサポートにもなるでしょう。
勉強は頑張れば成果が出やすい部分もあるので、適切な指導が役に立つはずです。
外部にも相談しながら、学校復帰を目指していきましょう。
ガンバ 今村 剛