お子さんが学校に行きたがらない理由は様々です。

「勉強が苦手だから授業がつらい」「クラスに馴染めなくて居場所がない…」など、原因がある程度見えやすい場合もあれば、いくつもの理由が複雑に絡み合っていることもあります。「朝になるとなんとなくお腹が痛い…」といったように、お子さん自身もはっきりとした自覚がないまま体調に現れてしまうこともあると思います。

お子さんが学校に行けずにいると、保護者の方も不安になり、「この先どうなってしまうのだろう…」と、不安になってしまうのではないでしょうか。

でも、お子さんが学びを得られる場所は学校だけとは限りません。今は国としても不登校生への理解が高まってきているので、学校以外の場所で学べるための支援も、昔に比べて受けやすくなっています。

その1つにフリースクールがあります。フリースクールがどんなところか理解できれば、保護者の方の不安も大きく解消されるかも知れません。

フリースクールってどんなところ?

「フリースクール」という名前だけなら、ご存じの方も多いと思います。でも実際には、フリースクールがどんな施設なのか、詳しく知っている方は少ないかもしれません。

フリースクールには様々なバックボーンを持ったお子さんたちが集まってきます。

小学生から高校生までのお子さんが通えますが、高校生の場合は学習支援をメインとした「サポート校」を利用するケースが多いです。「通信制高校に在学中」などのように、サポート校に入学するためには一定の制限もあります。

フリースクールには入学資格や制限がないので、小学生と中学生が訪れやすい環境が自然とできているのだと思います。

スクールによっては、小中学校の出席扱いを認めてもらえることもあるようです。学校のように周りのみんなと同じ行動を強制されないので、自分のペースを保ちながら社会とのつながりを得られるはずです。

フリースクールは民間の施設で、それぞれの目的は異なり、サポート内容や重視している点にも、運営者の方針が反映されているのがポイントです。

たとえば、

・不登校のお子さんの居場所づくり

・最終的な目標は学校への復帰

・進学を目指した学習支援や情報提供

・共同生活をはじめとした全体的な支援

などがあります。

このほかにも、

・発達障害のあるお子さんのサポート

・医療機関と協力関係を結びながら提供する支援

のように、より専門的なサポート体制を築いているフリースクールもあります。

お子さん自身の気持ちや保護者の方のお考えもあると思いますので、どんなタイプのフリースクールが合っているかは一概には言えませんが、お子さんに合ったフリースクールを選ぶことができれば、将来的への希望も見えてくるはずです。

フリースクールには何が期待できるの?

フリースクールに通ってみたら、実際にはどんな変化が期待できるのでしょうか?

以下にいくつか挙げてみます。

 

お子さんの精神的な安定

不登校やひきこもりの状況が続いているお子さんの場合、不安な感情や自分を責める気持ちが大きくなっていると思います。自己肯定感も下がりやすい状態なので、居場所づくりやメンタルサポートに力を入れているフリースクールが適しているかもしれません。

精神的に元気になってくると、少しずつ活発になってきたり勉強への意欲がわいたりします。自信がつくと周りとのコミュニケーションが取りやすくなるので、社会とのつながりを得るうえでも、フリースクールが最適な環境になるのではないでしょうか。

お子さん個人に合わせた支援を提供できれば、前向きな目標を立てられるようになると思います。

集団の中に交じって生活するのがつらいときは、自宅訪問してお子さんをサポートするフリースクールもあります。無理のない範囲で精神的な安定を目指せるので、お子さんにとっての不安を抑えやすくなるはずです。

 

無理なく学習できる

学校復帰を目指していてもいなくても、勉強への意欲があるお子さんへの学習サポートが期待できます。専門家の支援や、医療機関との連携が取れているフリースクールなら、学習障害があるお子さんへの適切な支援もできると思います。

専門のプロがいればお子さんに合ったカウンセリングを受けられるため、保護者の方としても安心できると思います。

学校復帰や進学を目標にしている場合は、出席扱いが認められる施設を選ぶとメリットが大きくなるのではないでしょうか。

資格取得のためのサポートをしているところもあるので、将来への夢や希望を抱きやすくなると思います。

 

自分のペースを保てる

フリースクールとは違い、学校は毎日通わなければなりません。「今日はちょっと行きたくないな…」という気持ちがあっても、休んではいけないというプレッシャーがあります。でもそれは、お子さんにとっての大きな負担になっていることも。

フリースクールの特徴は、お子さん個人のペースを尊重していることです。周りにいる同学年のお子さんに合わせて学習を進める必要がなく、毎日の通学も強制ではないので安心できる居場所になると思います。

「勉強が苦手で、他の人よりも遅れを取っているのがつらい…」というような悩みを持っているお子さんは少なくありません。でも、フリースクールでは1人1人丁寧な学習サポートを受けられるので、しっかりとしたフォローを期待できるはずです。

フリースクールの選び方

「個人のペースを尊重し、安心できる居場所となる」のが基本的なフリースクールの姿です。それでも施設の方針によってお子さんに「合う・合わない」があるため、よく考えずに通いはじめてしまうのは避けた方がいいと思います。

たとえば、

「学校復帰や進学を目指しているけれど、出席扱いにならないスクールを利用している」場合、学習へのモチベーションが続かなくなるかもしれません。がんばって勉強しても学校への登校にはカウントされないので、「どうせ勉強したって…」という気持ちが大きくなるリスクもあります。

 

「周りの人と馴染めるか不安だな…」というお子さんもいます。フリースクールに通わせることだけが正解ではないので、自宅に訪問してくれるタイプのサポートも検討してみてはどうでしょうか。

どのスクールがいいか迷っているなら、まずはフリースクールを訪れてみるのがいいと思います。スクールの環境が合いそうかどうか、お子さん自身が肌で感じられます。

施設のスタッフと直接話せば、方針や考え方も実感しやすくなるはずです。大切なのはお子さんにとって負担の少ない居場所づくりなので、焦らず選んだ方がいいと思います。

まとめ

不登校生が通うフリースクールについてご紹介しました。お子さんに合いそうな施設を探す際のご参考にしていただけましたでしょうか。

フリースクールに何を求めるかによって、お子さんに合った場所は変わってきます。「学習支援」や「社会とのつながりの確保」など、期待したいことを最初に決めておくと検討しやすくなると思います。

家庭教師のガンバ  今村 剛

不登校で勉強の遅れが気になる方の家庭教師