不登校のお子さんをお持ちの保護者の方にとって、高校受験は大きな心配事のひとつだと思います。学校へ通っていない状況で、「どうやって高校受験へ向けた学習や支援をすればいいのだろう?」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
不登校のお子さんを取り巻く状況は様々ですので、まずはお子さんの現状をよくみて、お子さんのタイプや状況に合わせた高校受験に向けた勉強方法を選ぶのがおすすめです。
そこで今回は不登校のお子さんが「高校受験対策として取り入れやすい勉強方法」に注目し、次の内容に沿って解説します。
- 不登校のお子さんの現状
- 高校受験へ向けて不登校のお子さんに必要な保護者のサポート
- 取り入れやすい5つの勉強方法と向いているお子さんのタイプ
また、不登校のお子さんの学習方法としてもニーズのある家庭教師ですが、なぜ不登校のお子さんの高校受験対策に家庭教師がおすすめなのかについても解説します。不登校のお子さんをお持ちの保護者の方はぜひご参考にしてください。
不登校のお子さんの現状
まずは文部科学省が発表している、不登校のお子さんに関する最新(令和6年6月時点)データをご覧ください。
(出典:文部科学省「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」より。)https://www.mext.go.jp/
これによると、令和4年度の不登校者数は299,048名と前年度を大きく上回っており、中学生だけで見ると、193,936名のお子さんが不登校となっています。
また、グラフからも不登校のお子さんがここ数年で急激に増えていることがわかり、同じ悩みを抱えるご家庭の方も増えていることが推察されます。続いて同省による「不登校の要因」に関する表をご覧ください。
(出典:文部科学省「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」より。※丸印を追加)https://www.mext.go.jp/
不登校の原因はお子さんによって様々ですが、最も多くを占めるのが「無気力・不安」となっており、特に中学生では52.2%を占めています。
次いで、「生活リズムの乱れ、あそび、非行」「いじめを除く友人関係をめぐる問題」がそれぞれ中学生で10.7%、10.6%となっています。
高校受験へ向けて不登校のお子さんに必要な保護者のサポートとは
こうした内容を考慮すると、「高校受験」に対する保護者のサポートとしては、次の4つが大切だと言えます。
1、保護者自身が焦らない
2、お子さんとの対話
3、高校受験への気持ちを共有
4、高校受験への準備(志望校選定、情報収集、手続きなど)
それぞれをもう少し深堀りしたいと思います。
保護者自身が焦らない
高校受験のサポートの第一歩として、まずは「保護者自身が焦らない」ことです。先にお伝えした「不登校の要因」にもある通り、不登校になっているお子さん自身が一番不安を感じているといえます。
そんな時に保護者の焦りがお子さんに伝わると、双方ともに苦しくなってしまう可能性が高いです。心配ではあると思いますが、保護者自身が焦らない、または焦ったそぶりを見せないことが大切ではないでしょうか。
お子さんとの対話
何気ない対話を重ねることも支援のひとつにつながります。お子さんの状況によっては、対話が難しいこともあるかもしれません。そんな時は無理をせず、なるべくお子さんに寄り添って過ごす時間を増やすだけでも「見守ってくれている」ことが伝わり、高校受験に関する話し合いもしやすくなります。
高校受験への気持ちを共有
対話の中で、お子さんが「高校へ行きたい」「〇〇高校へ行きたい」などの気持ちがあるのかなど、高校受験への意欲や希望についての話題を徐々に取り入れていくとよいと思います。
お子さんの気持ちに寄り添いながら、「高校へ行きたい」「高校受験をしたい」という点を親子で共有しておくことがポイントです。
高校受験への準備
お子さんの「高校へ行きたい」という気持ちを共有できたら、いよいよ高校受験の準備の面でサポートをしていきます。高校受験への準備では次の3つが柱となります。
①情報収集
ネット、説明会、学校担任への相談など
②志望校選定・手続き
・お子さんの現状を把握(学力・出席日数など)
・お子さんの目標や希望や夢を大切に
・学校担任とも相談
・期日にも留意
③高校受験対策の勉強法の選定
・お子さんに合った家庭教師や塾の選定
・過去問題集の取り寄せ、など
不登校のお子さんが必要とするサポートについては、下記リンクの記事もご参考にしてください。
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不登校のお子さんが取り入れやすい高校受験対策【5選】
では高校受験に向けて、具体的にどんな勉強法があるのでしょうか。不登校のお子さんが取り入れやすい勉強方法として、次の5つが挙げられます。
1、自主学習
2、通信教育
3、塾
4、家庭教師
5、フリースクール・教育支援センター
それぞれの特徴と、向いているお子さんのタイプをまとめました。
自主学習(教科書、問題集)
自主学習は、教科書や問題集等を活用して自分で学習する方法です。自主学習は教材選定から勉強する時間まで自分のペースで取り組め、かかる費用も比較的少ないというメリットがあります。
反対に、高校受験に適した教材選定を自分でやらなければならない、わからない箇所を聞ける人がいない、高校受験までのモチベーションが保ちにくいといったデメリットもあります。
自主学習は下記のような不登校のお子さんに向いていると思います。
- 集団に入るのが苦手
- 少人数でも対人面で不安がある
- 1人でコツコツ続けるのが得意
- 問題集や教材は自分で選びたい
- 自分のペースですすめたい
- 自宅で勉強をしたい
通信教育(紙・音声・動画教材)
通信教育とは、毎月郵送される問題集など紙の教材や、音声教材、動画教材を使って勉強する方法です。自主学習がベースとなりますが、高校受験対策のためのカリキュラムが組まれているため、完全な自主学習よりもペースが保ちやすい点がメリットです。
一方でさぼりがちになる点や、分からない問題をすぐに聞けない点がデメリットといえます。通信教育は下記のような不登校のお子さんに向いていると思います。
- 集団に入るのが苦手
- コツコツ続けるのが苦にならない
- 問題集や教材などを選ぶのが苦手
- ある程度組まれた計画や内容に沿って勉強を進めたい
- 自宅で勉強をしたい
塾(集団、個別、オンライン)
高校受験の対策としてまず思いつくのが塾ではないでしょうか。塾にも集団授業、個別指導、オンラインがあります。塾を選ぶ場合、お子さんの状況に合わせて集団授業、個別授業、オンラインから選ぶことになります。
不登校のお子さんの中には、学校は通えなくても塾には通えるといったケースも意外とあるので、後述する向いているお子さんのタイプに合わせて選ぶとよいと思います。
メリットは塾ごとに高校受験の合格実績が明記されている安心感や、志望校別コースなどカリキュラムが豊富な点が挙げられます。
デメリットとしては、自主学習や通信教育よりも費用がかかる点や、集団授業ではついていけるお子さんだけが伸びていくケースが多い点です。
特に塾の個別指導や高校受験対策コースでは費用が高い傾向にあり、授業時間数やコースにもよりますが、年間で私立中・高並みの授業料がかかるといったケースも聞きます。
また、塾の個別指導では先生一人対生徒2~3人という形式も多く、完全個別指導を希望する場合は確認が必要です。
ちなみにオンライン塾のメリットは自宅で受講できる点、対面授業より費用が抑えられる傾向にある点が挙げられます。ただ、画面越しの授業はお子さんによっては集中力が切れたり、眼精疲労の原因になるという点がデメリットといえます。
それぞれに向いている不登校のお子さんの特徴は次の通りです。
◆塾(集団授業)
- 特定の集団であれば苦手意識がない
- 塾生同士で競うことでモチベーションが上がる
- 実績のある塾で勉強したい
- 目標に合った環境で勉強したい
- 自宅以外の場所で勉強に取り組みたい
◆塾(個別指導)
- 合格実績など塾のメリットは享受したいが、集団が苦手
- 塾はスケジュール調整や振り替えの縛りがあって面倒
- 自宅以外の場所で勉強に取り組みたい
◆塾(オンライン)
- 合格実績など塾のメリットは享受したいが、集団が苦手
- 自宅で勉強したい
- ICT教材の利用が得意・好き
- 授業形式の学習をしたいが塾には行きたくない
※ICT教材とは、タブレットやパソコンなどインターネットの通信技術を活用した教材のことです。
家庭教師(対面、オンライン)
家庭教師にも対面とオンラインがあります。不登校のお子さんの高校受験として、家庭教師を選ばれるご家庭も少なくありません。
家庭教師で対面とオンラインのどちらがよいかについては、下記の記事もご参照ください。
<関連記事>
【オンライン家庭教師or通常の家庭教師】受験対策でおすすめはどっち?違いや特徴を解説!
家庭教師を高校受験対策として活用するメリットは、完全個別指導でお子さんの目標や苦手な部分、ペースやスケジュールに合わせて勉強できる点です。慣れた環境で勉強できるうえ、個別の対応になるため先生がモチベーターにもなります。
ただ、先生と相性が合わない場合がある点や、時間数を増やしすぎると費用がかさむ可能性がある点がデメリットと言えます。家庭教師は下記のようなお子さんに向いていると思います。
- 集団に入るのが苦手
- 自分に合わせたカリキュラムやスケジュールを組んでほしい
- 分からない点をその都度解決したい
- 塾で先生に質問することに遠慮がある
- 目標などの相談にも乗ってほしい
- 自宅で勉強をしたい
フリースクール・教育支援センター
フリースクールや教育支援センターは、不登校のお子さんが学習支援やカウンセリングなどを受けられる教育機関です。一般的にフリースクールは民間、教育支援センターは公的機関である場合が多いです。
メリットは、家庭以外の居場所をつくれる点、家から出て規則正しい生活を送れる点が挙げられます。「高校受験へ向けての勉強」という観点では、フリースクールやセンターによっては出席扱いとなる場合や、学習面のサポートに力を入れているところがあるので、内申点の確保や高校受験対策のひとつになると言えます。
中には塾や家庭教師と提携しているケースもあります。一方で、民間の場合は費用がかかる点、数が少なく選択肢が少ない点、公的機関の場合は自治体で内容に差があったり受験対策としてはあまり期待できない点がデメリットです。
こうした機関に向いている不登校のお子さんの特徴は次の通りです。
- 生活リズムの乱れからなおしたい
- 内申点を確保したい
- ゆっくりなペースでもよいので勉強に向き合いたい
なぜ不登校の子さんの高校受験対策に家庭教師がおすすめなのか?
繰り返しになりますが、今回お伝えした「不登校のお子さんが取り入れやすい高校受験に向けた5つの勉強方法」の中で、「家庭教師」を希望されるご家庭は少なくありません。
なぜ不登校のお子さんの高校受験対策として家庭教師がおすすめなのでしょうか?理由として、次の内容が考えられます。
- 完全個別指導
- お子さんの学力・希望・志望校に合わせた内容が可能
- 内容も進度や状況に合わせて柔軟に対応
- 慣れた環境(自宅)での学習
- 家庭教師がお子さんのモチベーターにも
特に不登校のお子さんの多くは、高校受験の対策の前にまずは学習面の遅れを取り戻すことから始めることも多いと思います。このようなケースにも柔軟に対応できるのが家庭教師の良さのひとつです。
一般的な塾のように決められた内容やスケジュールにお子さんが合わせるのではなく、家庭教師の場合はお子さんの学力や勉強の進み具合に合わせて、後の学習予定をリスケジュールしながらできます。
また、高校受験までの間、家庭教師と信頼関係を築きながら勉強を進めていくため、家庭教師が相談相手やモチベーターの役割も果たせます。分からない箇所も、1対1なら遠慮なく質問できます。
実際に家庭教師をご利用された「不登校のお子さんをお持ちの保護者の方からいただいた声」を、下記のリンクからご覧いただけます。ぜひご参考にしてください。
まとめ
今回は、不登校のお子さんが「高校受験対策として取り入れやすい勉強方法」に注目してお伝えしました。不登校のお子さんをお持ちの保護者の方にとってもお子さん本人にとっても、高校受験は大きな節目のひとつだと思います。
サポートや高校受験に向けた準備は、お子さんも保護者の皆さんも、お互いに大変な時期もあるかもしれません。時には休みながら、取り組まれてくださいね。
そして、高校受験に向けた勉強方法は、お子さんの状況やタイプに合わせて選ぶといいと思います。迷ったときは色々なところに問い合わせたり、体験授業を受けてみるのもおすすめです。
私たち「家庭教師のガンバ」では、不登校のお子さんへの指導経験や実績が豊富にあります。専門スタッフによる「不登校なんでも相談窓口」もあり、いつでも安心してご相談いただける体制を整えています。
「先生との相性が心配…」といった場合でも、ガンバでは何度でも無料で交代可能です。お気軽にお問い合わせや無料体験授業をご活用ください。
※家庭教師をやる・やらないは全く別で構いません。お問い合わせだけでも大歓迎です。また、無料の体験授業は、今後の選択肢の一つとしてお気軽にお試しください。