不登校になるきっかけは、生徒によってさまざまです。
いじめが原因の場合もあれば、人間関係が上手く行かない、勉強についていけないといった原因も。
また、規則正しい生活リズムが整わず、昼夜逆転の生活になってしまうことが不登校の原因になることも珍しくありません。
今回は、不登校生に多い昼夜逆転の生活の原因や、不規則な生活のデメリット、乱れた生活習慣の治し方などを詳しく紹介します。
不登校は昼夜逆転の生活になりやすい!その原因は
不登校の子が昼夜逆転の生活になりやすい原因は、子供のメンタル面や生活スタイルが大きく影響しています。
中でも、昼夜逆転の生活に深く関わっている原因が、次の5つです。
心の葛藤による寝不足
不登校生の多くは、登校時間になると「学校に行きたくない、でも行かなきゃ!」と心の中の葛藤を経験しています。
自分との戦いの末、結局学校には行けず、自宅で一日中過ごす生徒は珍しくありません。
夜寝る前になると、「明日、学校に行けるかな」「学校に行きたくないな」などの考えで、頭の中がいっぱいに…。
学校に行くのがイヤという思いから眠ることができず、気づけば朝を迎えます。
毎日の繰り返しで寝不足になる生徒も多く、昼夜逆転の生活が始まるのです。
自分を責める・嫌いになる
中学校に行くのが当たり前だったのに、いざ行けなくなると「自分はダメな人間」「普通のことができない」など、自分を攻めて嫌いになる生徒が多いです。
当たり前のことができない、普通に考えると不登校はおかしなことなど、一人の時間が多いとネガティブな考えばかり生まれてしまいます。
とくに、中学校の登校時間や帰宅時間に自分を責める生徒が多く、現実逃避から日中寝て夜起きる生活によって昼夜逆転するのです。
病気が関係している
不登校生の中には、親でさえ気づかない病気が関係している可能性があります。
中学生になると、部活に勉強、塾など、睡眠時間が減り、朝起きられない生徒が目立ってきます。
授業中に居眠りしてしまう生徒も珍しくなく、先生によく注意を受けるケースも多いでしょう。
「朝起きられない」「日中昼寝するせいで夜眠れない」などは、自律神経の乱れによる起立性調節障害の可能性があります。
ゴールデンウィークや夏休みなどの長期休暇により夜型生活が続き、体が昼夜逆転の錯覚を起こす睡眠相後退症候群、心の病気であるうつ病などが関係している可能性もあります。
家族と会いたくないから
中学生は義務教育のため、「不登校=親の甘やかし」と考える両親も少なくありません。
そのため、朝起きてもボーッとする子供に対し、「学校に行かないの?」「勉強はいつするの?」など、つい親も口出しが多くなります。
不登校生にとって、毎日言われる親からの言葉がストレスになり、家族と会うのを避けようと、昼夜逆転の生活になってしまう場合もあるのです。
夜更しによる寝不足
中学生になると、スマホやタブレットで動画を見たり、テレビゲームをしたりと時間を忘れるほど熱中になることも多いでしょう。
夢中になりすぎて、気づけば深夜1時、2時で、睡眠時間はたった数時間。
朝起きる時間になっても目は明かず、さらにスマホやタブレットからブルーライトにより睡眠途中で目が覚めたり長時間眠れなかったりと、体内時計も乱れてしまいます。
夜更しが続くと昼夜逆転の生活が当たり前になり、なかなか早く寝ることができない状態になりやすいです。
生活リズムは戻すべき?昼夜逆転のデメリットはある?
日中起きているより、夜起きていた方が「やる気が高まる」と感じる中学生も多く、休日は昼近くまで寝る生徒も珍しくないでしょう。
しかし、昼夜逆転の生活は知らないうちに健康に悪影響を与えているのです。
・胃腸障害や生活習慣病のリスクアップ
・睡眠リズム障害(寝たいのに眠れない症状)
・肩こりや頭痛の慢性化
・風邪や病気になりやすい
・メンタル面の弱り(イライラや増える、自信をなくす)
・学力低下(理解できない、実力を発揮できない)
不登校生に多い昼夜逆転生活が続くと、中学生のうちから不健康な体を作ってしまうため、注意が必要です。
不登校の生活リズムを改善する方法は?
不登校の昼夜逆転生活の悩みは、生活リズムを正すように親が意識することで改善できます。
生徒と親向け、それぞれの改善策をチェックしましょう。
【生徒向け】不登校の生活リズムの改善策
・毎日、寝る時間を決める
・朝起きたら、日の光を浴びる
・朝のルーティーンを作る(朝食や歯磨きする時間を決める)
・寝る前30分はスマホやタブレットを見ない(ディスプレイを見ない)
・全身を暖かくしてから布団に入る
・無理に学校に行こうとしない(誰かに相談する)
生徒によって不登校のきっかけは違うため、どうしても学校に行きたくないと思う人も多いでしょう。
学校に行くことがストレスになるなら、話を聞いてくれる人に相談し、ひとつずつ解決することが大切です。
不登校に対して親が理解してくれないのであれば、先生に。
親や先生がダメなら、スクールカウンセラーや自治体による相談窓口など、耳を傾けてくれる人はたくさんいます。
【親向け】不登校の生活リズムの改善策
・感情任せに子供を責めない、口出ししない
・親も一緒になって運動をする
・子供の悩みをしっかり聞き受け止める
昔に比べ、最近の中学生は体を動かす時間が減っています。
体が疲れるとご飯をしっかり食べ、眠りたいという気持ちも高まります。
親も一緒になって運動することで、子供も自然と昼夜逆転の生活が治る可能性は高いです。
また、「不登校はダメ」と頭ごなしに責めるのではなく、学校へ行きたくない理由や、どうしたいのかなど、しっかり理由を聞いてあげるのも解決策のひとつです。
まとめ|不登校の昼夜逆転はゆっくり生活リズムを取り戻そう
不登校のきっかけは、対人関係や生活リズムの乱れなどさまざまです。
「学校へ行かないのは甘え」と考える人も多いのですが、子供に対して口出しが多くなると、家族と接触するのを拒む生徒も珍しくありません。
昼夜逆転の生活が続くと、なかなか学校に行けなくなってしまうので、ゆっくり生活リズムを正していきましょう。
ガンバ 今村 剛