不登校の理由には様々な理由が考えられます。
学校でのトラブルが原因だと思われがちですが、家庭環境に問題があるケースもあります。
不登校になってしまう家庭環境とはどんな状況なのか、対策も交えて説明します。
不登校になってしまう家庭環境とは
不登校になってしまう家庭環境はどのようなものなのでしょうか。
想定されるのは、生活環境の変化があった、親子関係・家族関係の問題によって家庭が機能不全に陥っているといったものです。
それぞれ、具体的に見ていきましょう。
生活環境の変化
両親の離婚や別居、近親者の死亡など身近な人との別れを伴う出来事、親の転職などによって、生活環境は変化します。
家庭の生活環境が急激に変化することは、子供にとって大きなストレスになり、不登校に繋がることがあります。
とくに家族の死は大人でも心に大きなダメージを与えます。
子供にとってはもっと大変なダメージと思って良いでしょう。
親の転職やリストラは、親の生活環境の変化ですが、間接的に子供のストレスになることもあります。
敏感な子供は、親の不安やイライラを感じ取って影響されやすいのです。
親子関係・家族関係の問題
親子関係が子供の不登校に影響している場合、親が子供と良い関係を築けていない可能性があります。
子供との関係性が良くない親は、大きく分けると、支配や干渉の傾向が強いタイプと、反対に何も構わず放っておくタイプに二分されます。
支配や干渉の傾向が強いタイプ
支配や干渉の傾向が強い親は、子供に期待をかけすぎたり、子供に対する心配や不安の気持ちが強すぎたりします。
その結果、過保護や過干渉になることもあるでしょう。
子供の意思や気持ちを無視して、子供のことを決めてしまうケースも少なくありません。
進学に関わることを勝手に決めたり、理想を押し付けてしまったりするケースも多いです。
子供にとって良いことをしているつもりでも、子供はとても窮屈に感じてしまいます。
放っておくタイプ
親が仕事や趣味など子供以外のことに忙しく、ひどいケースだと衣食住もおろそかになるなど、ネグレクトといわれる状態になります。
子供が親の愛情を感じられないことで精神的に不安定になりやすくなります。
仕事も趣味もそれ自体が悪いのではなく、それを理由に子供を放置してしまうことが問題です。
このタイプの親は、不登校になっていることに気づかず、学校からの連絡で初めて状況を知る場合もあります。
反対に見える2つのタイプですが、どちらも子供にとっては大きなストレスになるのです。
どちらのタイプも、正常なコミュニケーションができていないのが問題です。
家庭内の不和も不登校の原因に
親子関係がうまくいっていても、家庭内の不和がある場合もあります。
両親の不仲、兄弟姉妹間の不仲なども子供に影響を与えます。
家庭内の不和があると、子供にとって家庭が安心できるところではなくなり、ストレスになります。
親子関係だけでなく、夫婦間、兄弟姉妹間、祖父母との関係などにも注意が必要です。
どのような対策を取るべき?
家庭環境が原因の不登校になっている場合、解決をするのは簡単ではありません。
しかし、思い当たる問題を解決していくことが必要です。
親自身のストレスを解消する
親自身が原因となっている場合、抱えている不安や悩み、ストレスを緩和したり解消したりし、子供にストレスを感じさせないようにしましょう。
普段からストレスを溜め込まないように自分の時間を作ったり、子育ての悩みを身近な人に相談したりすることもポイントです。
身近な人などに相談する
子育てには悩みがつきものです。
同じような悩みを抱えている人や、過去にそのような経験がある人に相談してみましょう。
一人で悩んでいると、悪いほうにばかり考えて不安や心配が増してしまうこともあります。
話を聞いてもらうだけでもすっきりして楽になることもありますし、不安や怒りなどは共感してもらうことで気持ちが落ち着くこともあります。 身近に相談できる人がいなければインターネットなどをうまく利用しても良いでしょう
自分の人生を大切する
不登校の問題は、子供の問題であることを忘れないようにしましょう。
子供の不登校をきっかけに、子供のそばにいるためにそれまでしていた仕事を辞めようかと悩む方も少なくありません。
しかし、過干渉になったり、「あなたが不登校のせいで仕事を辞めた」などと言ってしまったりしては本末転倒です。
それがさらに子供のストレスになってしまうこともあります。
大切なことは、子供との適切な距離感、正常なコミュニケーションです。
仕事をしているか否かに関わらず、親が自身の人生をちゃんと持って、その上で子供と向き合うことが必要です。
子供にかかりきりにならないように、自分の時間を持つようにするとストレス解消にもなりますし、子供にも子供時間ができて心にゆとりができます。
専門機関を頼る
問題が解決しないようなら、家庭内だけで悩み続けないように、学校や専門機関に相談しましょう。
専門機関には過去の不登校の対応によって知識やノウハウがあるため、問題の解決に役立ちます。
家庭内で悩みを抱え込むことで、状況を悪化させることもあるため、専門機関などもうまく利用しましょう。
公的な相談窓口としては、児童相談所・児童相談センター(18歳未満)・教育センター(高校相当年齢)・ひきこもり地域支援センター・発達障害支援センターなどがあります。
民間にも相談窓口を設けているところもありますし、不登校以外の家庭の問題についても相談できるところがありますので、そのようなところを上手に利用して、問題を抱え込まないようにしましょう。
ガンバ 今村 剛