学校に長い間登校できずにいると様々な心配事が積み重なります。学校に行けない自分を責めてしまうお子さんもいると思います。このまま自分はどうなってしまうのか、不安ばかり感じてしまいますよね。
学校復帰を目指すためには、そのための準備期間も重要です。ここでは再登校する前にやっておきたいことを整理してみます。
再登校を目指すための準備
不登校から再登校を目指すにはいくつかの準備が必要です。焦って行動するのではなく、身の回りを整えてから学校復帰を考えましょう。
気持ちを整える
何ヶ月も欠席が続くと、ますます学校に行きづらくなってしまいます。本当は行かなければならないのにと、罪悪感を抱いてしまうお子さんも多いです。
勉強や部活動などが周りよりも遅れ、焦りや不安は日に日に募っていきます。そんなプレッシャーを抱えながら、再登校を目指すのはとても苦しいと思います。学校に行く前の準備段階として、まずは自分自身を労わってください。
不登校は悪いことだという罪悪感を軽くしていくことが重要です。不安や罪悪感を抱えたまま登校すると、周りの目が過剰に気になってしまい、後ろめたい気分に苛まれ、クラスでの居場所がないように感じてしまうかもしれません。
心を軽くしておくことは学校復帰のためのとても重要な一歩です。学校に行っても怖いことは起きないと思えることが1つの目安にもなります。
学校との相談
不登校の間や、復帰する前の段階では、学校とのやり取りを欠かさないようにしましょう。勉強の進み具合などを把握していれば、計画も立てやすく学習の負担はいくらか軽減できます。
もし体育祭や課外活動などが苦手な行事なら、そのタイミングを避ける必要もあります。再登校した日やそれ以降、学校へ求めるべき配慮を伝えるためにも役立ちます。
学校の状況が全く分からないより、伝え聞いている方が本人の精神負担も低くなるはずです。事前に保護者の方と先生が協力しておくことは、お子さんの学校復帰のサポートになります。
逃げ道を確保しておくことの重要性
再登校を決め、いざ学校に来てみるとストレスが大きすぎて耐えられないというお子さんもいます。そのため逃げ道の確保をしておくことも重要です。
実際に苦しくなった時に、逃げ込める場所があるのとないのとでは全く違います。せっかく登校したのにとは思わず、つらければ保健室を利用しましょう。
いざというときは逃げてもいいと本人が思える環境づくりには意味があります。逃げ場があるという安心感が、出席を続けるための手助けにもなるのです。
学校復帰までのステップ
復帰を叶えるためにはただ登校すれば良いというものではありません。小さな目標を少しずつ立てて、急がずに段階を踏んでいきます。
生活習慣を立て直す
再登校の前には、夜型の生活サイクルなら朝方に戻しておく必要があります。まずは学校とは直接関わりのない生活習慣から正していくようにします。
起きてから寝るまでの生活行動なので、この段階では登校のプレッシャーは感じません。ただ朝起きて夜寝る規則正しいサイクルができてくると、学校習慣と生活が重なり、いざ登校しようと思った時に、体内時計もスムーズはたらきます。
無理せずに小さな段階を踏む
最初から無欠席を目指すことが正解とは限りません。最初の週は1日だけ、次の週は2日間頑張ってみるなど、お子さんの様子を見ながら、小さな目標を立てることもできます。
1日中学校にいることが難しい場合もあるかもしれません。数時間だけ授業を受ける、午前中だけ出席するなどと無理のない範囲で予定を組みます。
それでも本人がつらいと感じるならば、無理に授業を受け続けるのは避けましょう。居心地の悪さが強く印象に残ってしまえば、復帰の妨げになります。
完全な復帰を目指すまでの対応を求めるためにも、学校との連携が必要です。また、初めのうちは保健室登校という手段もあります。
自宅から保健室、保健室からクラスという小さなステップに分けられるのがメリットです。少しずつハードルを上げつつも、無理のないペースで毎日の登校に慣れていけます。
クラスにいる時に苦しいと感じた場合にも、頑張りすぎずに保健室を利用しましょう。
社会とのつながりを持つ
不登校になってからずっと家の中にいるというお子さんも多いです。外に出ることや家族以外の人と話す機会も次第に少なくなってしまいます。
外部とのつながりがほとんどゼロだった状態から、いきなり学校に行くのは困難です。まずは学校以外とのつながりを持ち、人との関わりが途切れないように心がけてください。
フリースクールの利用やボランティア活動も有効な方法の1つです。また、お子さんによってはオンライン授業や家庭教師、個別指導塾などを利用して、1対1で人と話ながら学習の遅れを取り戻すことも有効だと思います。学校とは直接関係なくても、復帰を目指すための準備にもなります。
再登校を目指す時期
登校のための気持ちと準備がある程度整ったら、次はいつ行くかを決める段階です。本人にとって最も負担が少ないタイミングを考えましょう。
休み明けの登校
新学期や新学年が始まる時期は、長期休みが明ける日でもあります。目安として目標を定めやすく、日程が決まっているので事前準備もしやすいです。
学校のスケジュールを知っていれば、本人が登校を考えるきっかけにもなります。精神的な負担が重くないようなら、休み明けを目指して調整してみるのも良いと思います。
時期を定めない登校
時期をほとんど定めず、本人の意思に任せることもできます。休み明けのように明確な日がないため、追い詰められるような焦りを感じることはありません。
この日に行かなければならないという不安があるかないかは、お子さんの状況を大きく左右することもあります。不安が少ない状態で毎日を過ごせれば、自宅学習などにも身が入りやすいです。
本人の気持ちに合わせる
休み明けの登校を目指した方が良いのかどうか、迷っているご家庭の方も多いのではないでしょうか。
休み明けは新学期や新学年というキリの良い時期でもあるので、その区切りを1つの目安としておくのは分かりやすいです。
ただ反対に、はっきり時期を定めてしまうと本人のプレッシャーになる場合もあるため、行けそうな日に行くなどと、大まかな目標を持っておく方が合っているお子さんもいます。
不登校から復帰までの期間も人によって様々です。抱えている悩みやトラブルがある場合、長い休息やケアを受ける時間も必要になります。
そして何よりも避けるべきは、周囲からのプレッシャーです。保護者の方から見れば1日も早く学校に復帰させてあげたいという気持ちが強いとは思いますが、期待がプレッシャーになって、ますます本人の感情を悪化させるケースもあります。
本人の希望や考えを最大限に尊重し、学校とも相談しながら時期を探ることが重要です。
まとめ
不登校生の再登校について解説してみました。ご参考にしていただけましたでしょうか。
不登校の理由は様々ですが、再登校までの道のりも人それぞれです。できるところから少しずつ始め、無理のない範囲で復帰を目指しましょう。
家庭教師のガンバ 今村 剛