英検を取っておくと受験で有利になるという話を聞くことがありますが、本当のところはどうなんでしょうか?
実際問題、友達や同級生の中で、すでに英検に合格している人がいれば、合格していない場合不安を感じることもありますよね。ただ、受験期に近づけばただでさえ受験勉強で手一杯なので、英検のための勉強時間を取ることが大変な場合もあります。
英検のための勉強が受験に役に立たないかというと、そういうわけではありません。また、受験においてはもちろんのこと、その後の進路や将来にも影響があることなので、これを機会に少し考えてみましょう。
今回は、英検のメリットについてのお話です。
英検とは
そもそも英検とはなんでしょうか。
日本では身近な資格試験の1つでもあるため、聞いたことがない人はほとんどいないと思います。
英検は5級からあり、3級までは初級として受験できます。準2級からは中級となり、準1級からは上級試験になります。
何級でもリーディングとリスニングはありますが、3級からはライティングとスピーキングも必須となるため英語力を証明しやすい資格になっています。が、その分、級が上がるごとに難易度もどんどん上がっていきます。3級までは5割程度が合格するのに対し、準2級ではぐっと落ちて4割に届かない合格率だそうで、1級ともなれば1割前後の合格率なので、どれだけ難しいかが想像できますよね。
また、基本的なレベルの判断としては、準2級が高校2年生と同等程度、2級になると高校卒業と同じくらいのレベル、準1級と1級はそれぞれ、大学中級と大学上級レベルになると考えられています。中学生や高校生でも1級に合格する人はいますが、そのためには相当な努力が必要です。
英検を持っているメリット
英検に合格することで得られるメリットは様々ですが、自分にとってその利点が大きいかどうか、受験前に検討してみましょう。
英検優遇制度を使える
英検に合格していると、志望校の受験において英語試験が免除される場合がありますし、試験免除とまではいかなかったとしても、英語の点数に加点されるケースもあります。また、英検に合格していることで内申点に加点される学校もあるので、志望先が英検優遇制度を備えていれば入学試験で有利になります。
ただし、英検による優遇措置を使えるのは多くの場合で2級以上の合格者からです。少なくとも準2級がボーダーラインとなってくるため、仮に3級を持っていても受験上のメリットはないと言えるでしょう。
また、優遇制度を活用しているかどうかは志望先の大学によります。英検に合格したならその分の知識やスキルが定着しているはずなので全くの無駄にはなりませんが、受験のために英検を検討している場合は志望先の募集要項を確認しましょう。
志望校によって条件はそれぞれ異なるので、詳しくは調べておきましょう。
受験対策のスケジュールに余裕が出る
英検合格の実績がある人は、それだけの英語スキルが備わっているということで、5教科の中でも英語が得意分野になっていれば、試験でも有利に働くのは間違いありません。英語は文理関係なく必須となる教科でもあるため、ライバルたちよりも1歩先に行っているという自信がつくはず(?)
何より英語は受験の必須教科であるので、受験対策にも力を入れなければなりませんが、たとえば英検2級以上合格済みの場合に英語受験免除の大学なら、それだけでスケジュール的にも余裕ができます。
また、大学受験などと同様に英検も1つの試験です。試験の空気感に触れるという意味でも、練習の場として活用できるので、合格を目指して取り組む緊張感を事前に味わうことができ、ちょうどいい予行演習になるかもしれません。
将来の選択肢が増える
英検に合格するメリットは受験にかかわるものばかりではありません。
英語が苦手な人材が多い日本において、英語が必要になる研究や職業選択ができるようになることは、思っている以上に大きなメリットになります。また、大学に入学した後で留学を検討している場合にも英検は有利に働きます。
留学先での語学力証明資格としても活用できるため留学のハードルが下がるので、よりよい経験を得やすくなります。
就職のときの資格欄にももちろん記入でき、英語を活用した仕事を選ぶうえでのアシストにもなります。
英検受験の注意点
という感じでメリットが大きい英検ですが、受験のための心構えによっては利点を半減させることもあります。
英検は受験が終わった後も様々な場面で活用の可能性がある資格ですが、受験のために英検に合格した時点で、英語に対する興味や意欲を失ってしまうのはもったいないと思います。英語試験の免除や加点など、優遇措置を得られるだけで終わらず、ぜひそれを活かして将来につなげて下さい。
やはり現代はグローバルな社会です。
他国の言語を学ぶということは、その言語を使う地域での文化や風習に触れられることも意味します。多様性を身につけた人間へと成長するためにも、英語力をどんどん加速させ、世界に出られる強みを獲得しましょう。
英検2級を突破するには
受験の難易度が上がる英検2級。ここら辺から壁が高くなります。高校卒業と同等レベルのと言っても簡単ではありません。合格するには覚悟と努力が求められますよ。
地道な学習の継続
学習の基礎の部分は多くの場合、学校で身につけます。それは英語でも同じことが言えるため、言うまでもなく学校の授業には真剣に取り組みましょう。予習や復習の習慣をつけると、余裕を持って授業に臨めるので学習効果も高まりやすいと思います。
普段の授業で習ったことを元に自主学習を進めれば、早い段階で英検2級の対策に取り組めるでしょう。
ここで「学校の授業で?」と思う方もいるかもしれせんが、なめてはいけません。学校の授業をしっかり、それこそ定期テストで90点以上取れるレベルまでやれば、英検にも受験しやすくなります。
英語学習は積み重ねの分野です。しっかり授業を受けていれば、自分自身で応用力を磨くこともできます。
日本の英語教育
受験での必須教科としていても、海外に比べて英語力が伸び悩んでいるのは昔から日本教育の課題です。
読み書きはできても話すのが苦手な日本人は多く、受験が終わると英語から遠ざかる人も少なくないのではないでしょうか。最近は日本の英語教育に大幅な改定が起こりましたが、まだまだ十分とは言えません。
スピーキングに力を入れるようになってきたものの、人前で話すことを恥ずかしいと感じる生徒も多いですし、グローバル人材を育て上げることは日本全体にとって必須の課題。
しかし、そのための目標に、体制が追い付いていないのが日本での英語教育の現実なのです。
家庭教師や塾などのサポート
友達の前で英語を話すのが恥ずかしかったり、苦手な部分でつまずいたりと、英語学習には様々な難点がありますが、塾(予備校)や家庭教師は強力なサポーターになる可能性があります。
受験の前にまず英検を受けることを伝えれば、そのための対策も助けてくれますし、スピーキングが苦手なのか、リーディングが苦手なのか、不得意な分野に合わせて指導を受けられるのは心強いですよね。
英検合格後の受験対策でも、経験のある人が一緒に考えてくれたら安心ですよね。
まとめ
受験において英検を受けるメリットを紹介しました。
将来にわたって様々な利点を得られそうな英検ですが、受験システムの活用も含めて検討してみる材料になったでしょうか。
受験で有利に働く可能性があるのはもちろんのこと、職業選択や興味の幅を広げる意味でも英検には価値があります。
家庭教師のガンバ 今村 剛