大学入試を控えている受験生には様々な対策が必要ですが、推薦選抜や志望校の方針によっては、小論文が必須の課題となります。

「小論文に苦手意識がある」、「そもそも小論文の勉強のやり方自体が分からない」というお子さんもいらっしゃると思います。

特に文章を書くこと自体が苦手なお子さんなら、不安も大きくなりますよね。ただ、小論文は傾向やコツを把握したうえで学習に取り組めば必ず成果につながります。

正しい小論対策を行い、自信を持って受験日を迎えましょう。

大学受験での小論文

受験では考える力や主体性など様々な能力が求められますが、小論文の課題もその能力を見極めるための手段です。

たとえば文章をまとめるためには論理的な思考力が必要です。他の人の意見を素早く読み解くこと、そのうえで適切に応答すること、といったスキルも重要です。

そのため小論文対策には、読解力と論理性の強化が必須です。

小論文の種類

小論文には課題タイプがあり、大学によって違います。志望先の要項確認をしておくことは受験対策の第一歩になります。

テーマ型

テーマが与えられているので、それに沿って意見を述べる形式です。時事問題に強くなるためにも、日頃からニュースなどに触れるといいと思います。

長い課題文

与えられる課題文が長く、内容を把握してから意見を論述するものです。読解力が求められるので、普段から読書などを通して長文を読み、理解する訓練をしましょう。

図やグラフなどの分析

文系よりも理系に多い課題です。文章ではなく図表から読み解くので、分析能力と論理的な文章構成が求められる小論文です。

志望理由型

その大学に入学したい理由や入学後の意欲などを表明します。志望先の特色を把握しておくことが高得点のポイントです。

小論文に必要なスキルを身につける方法

小論文の作成では思考力はもちろんですが、テクニックも必要になります。出来栄えを左右するので、ポイントを押さえられれば評点を高められます。

読解力を養う

普段から文章に慣れておくとは読解力の強化に役立ちます。小説やエッセイも練習になりますが、おすすめは評論文です。物事の主張をまとめた文章のことです。

「主張は何か?」「その根拠はどこか?」…文章から把握するための練習になります。「○○だから△△である」といった「根拠と結論」の流れも身につきやすいです。

また、小論ではまず課題文を理解する必要があるので、素早い読み解きの練習も必須です。

主張をまとめる能力

小論文では制限時間内に自分が言いたいことを主張と根拠を考え、正しい文章でまとめる能力が問われます。

文章構成が苦手なお子さんなら、主張の素早い決定が求められます。内容を即決できれば文章を書くことに集中できるので、焦らずに執筆しやすいです。

文章構成のポイントを押さえる

評論などを読み込んでいると文章構成のポイントも自然と見えてきます。小論文でも求められることはほとんど変わりません。

まずは意見を明確に主張。次にその根拠です。意見や主張は物語で言えば序章部分で、序論でどのような文章になるかが示されるので、必ず明確な意見を述べるようにしましょう。

次の根拠の部分はとても重要なポイント。どうしてその主張になるのかを説明する文章です。この根拠が曖昧だと主張も揺らいでしまうので、正しさをきちんと表明します。

主張と根拠を述べた後は、結論として文章全体をまとめます。大まかにこの3段階の流れを覚えておけば、自然にまとまりのある文章構成になります。

力強い表現をする

語尾の書き方によっては、自信のなさなどを印象づけてしまいます。たとえば「○○かもしれない」「○○だと思う」という表現。これは「○○である」という断定的な書き方に比べ、意見や主張を弱めてしまいます。

日常的な会話では、穏やかな語尾の方が適した表現になることも多いですが、小論文はあくまでもテストで、模範的とされる表現方法があります。断定的な書き方はブレがなく力強い主張と印象づけるので高評価を得やすいです。

当日の試験のテーマによっては、自分の意見に自信を持てないこともあるかもしれません。ただ、主張の仕方も評価対象になるので、断定表現を心がけましょう。

小論文対策を強化するには

「より良い書き方」を理解しても、練習しなければ上達しませんよね。ですので、入試本番で的確な小論を書けるようにするための対策が必要です。

専用のテキストを利用する

小論対策用の書籍はたくさん出版されています。テーマ別の問題集や、よくある失敗例をまとめた教材など様々で、自分に合った1冊を見つけられれば、対策用にくり返し使い続けられます。

コツコツ練習する

お子さんにもよりますが、テキストなどの模範例を参考にして文章構成の練習をすると効果的です。

ただ、入試本番では、当然、時間制限があります。時間配分に注意しながら書ききる訓練をしてください。練習であっても、誤字脱字にも注意が必要です。

書き始める前には文字数も要チェックです。長すぎても短すぎても高得点は狙えません。文字数などの決まりが守られていないと、評価されない可能性もあります。

細かいところにも気をつけながら、くり返し練習してください。

志望先の傾向をチェックする

課される主題や、求められる論述内容は大学によって違いますし、求められる学生像も多種多様です。

志望先の大学や学部の特色や、学生に何を求めているのか、は事前に把握しておきましょう。そのうえで小論文のテーマ傾向もチェックしてください。

文字数も学校ごとの特徴があるので、指定の文字数に合わせて練習することで、本番でも実力を発揮しやすくなります。

家庭教師の指導を受ける

もし、自分1人で練習を続けるのが難しい場合や「このやり方で本当に合っているの?」と不安になる場合は塾や家庭教師などの活用も選択肢に入れてみてください。

入試までの限られた時間の中で、効率よく適切な練習をするためには、塾や家庭教師の利用も効果的です。

既に経験のある人から指導を受けられれば、自分の弱点や、自分に合った勉強法や教材などを見つけられます。効率よく進められると思います。

まとめ

小論文対策について解説しましたが、ご参考にしていただけましたでしょうか。

地味に感じるかも知れませんが、小論文の種類や志望先の傾向に合わせて少しずつでも練習を重ねていけば、実力はアップし、当日もその実力を発揮できるはずです。

家庭教師のガンバ  今村 剛

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