勉強には暗記がつきものです。「暗記が苦手」で「面倒くさい!」と思っているお子さんも多いのではないでしょうか。
何度も勉強しているのに、なかなか定着しないと嫌になってしまいますよね。
暗記効率を上げるためには、そもそも暗記が苦手な理由を知らなければなりません。原因を探りながら、効果的な方法も考えてみます。
なぜ暗記が苦手なのか
暗記が苦手だと思っている人は年齢にかかわらず多いです。でも、そもそもどうして暗記ができないのでしょうか…。まずは、その理由を知ったうえで対策を立てましょう。
記憶は長く続かない
人が長い間記憶するのは、衝撃的な出来事や痛い思いをした経験などで、生きるために重要であればあるほど記憶にしっかりと残りやすくなるそうです。
学校の授業で勉強したことの多くは、短期間しか記憶に残りません。これは、生き物の脳の仕組みとして短期保存と長期保存に自動で分けられているためです。
勉強はとても大事ですが、国語も数学も命に直結するとは言えませんよね。ですので、覚えてもすぐに忘れてしまい、定着させるのが難しくなります。
覚えることが多すぎる
学校で勉強する範囲はとても広くて量も多いです。しかも、暗記以外にもやることがたくさんあるので脳機能は常に忙しい状態です。
たくさんインプットしようとしても、1回で覚えられる量には限界があり、限界を超えて無理やり記憶しても頭の中の情報はすぐに薄れてしまうのです。
その分野に興味がない
つまらないと思っていることに取り組むのは大人でも難しいですよね。
教科によっては最初から苦手意識を持っている場合もあり、嫌いな教科を勉強するのは大変ですが、少しずつでも知識が増えていけば、それに合わせて興味がわくこともあります。
最初は5分程度の短い時間でも大丈夫なので、まずは机に向かうところから始めましょう。
失敗しがちな暗記のやり方
あれもこれも一気に覚えようとすればするほど暗記は失敗してしまいます。
ただでさえ覚えることが多いので情報が頭の中でゴチャ混ぜになってしまいます。似ている情報をあやふやに覚えてしまうのも失敗の原因です。分かったつもりになっただけで、正確に理解しないまま誤った記憶になってしまいます。
1日のうちに長い時間を確保してたくさん勉強しようとする姿勢はもちろん大切ですが、ただがむしゃらに覚えようとしてもなかなか効果は上がりませんよね。
記分野は効率を重視した勉強方法が欠かせないのです。
暗記にふさわしい環境作り
気が散る環境では暗記のさまたげになってしまいます。まずは暗記しやすいコンディションに保ちましょう。
生活環境を整える
暗記だけではなく勉強をするためには生活習慣が重要になります。
健康的な食事は基本です。
栄養の偏った食事をしていると、脳にも必要な成分が行きわたりません。
睡眠時間もしっかり確保しましょう。
最適な睡眠サイクルは脳機能や記憶力の向上を助けます。
時間を区切った勉強方法
人の集中力はそれほど長くは続きませんよね。
ですので、1度に何時間も勉強するのは難しいです。もちろん個人差はありますが、1つの科目につき15分から20分のスパンがいいと思います。
メリハリのある勉強の合間には、適度な休憩を挟むことも大切。10分程度のストレッチやおやつ休憩など、根を詰めすぎないようにしましょう。
また、整った生活習慣をしていても眠気におそわれることはありますが、その時に眠いのを我慢して頑張っても記憶には残りづらいです。無理をせず仮眠を取り、頭をすっきりさせた状態で勉強を再開する方がいいです。
暗記で大切なこと
暗記には適切な学習方法があります。少しでも時間を無駄にしないために、暗記するときのポイントを把握しましょう。
何度もやり込む
「1度だけ」では、なかなか記憶に残りません。暗記科目は何度もくり返す必要があります。
根気のいることですが、暗記分野を押さえられれば勉強が全体的に進めやすくなり、成績の底上げにもつながります。地道に反復していきましょう。
復習を欠かさない
1度覚えたことをその日のうちに反復すると記憶に残りやすくなります。さらに、数日後や1ヶ月後に同じチェックをすれば、より明確な記憶として残ります。
もう覚えたと思っていても、意外と忘れてしまっていることは多いです。取りこぼしがないよう、復習によって定着させましょう。
効率的な暗記方法
地道な学習が欠かせない暗記分野ですが、効率的な勉強も大切です。効率を重視することで、覚えられることも増えていきます。
隙間時間の活用
バスや電車で通学しているお子さんは隙間時間用の暗記アイテムが便利です。赤シート付きの問題集を常にカバンに入れておけば、少しの時間でも活用できます。
席に座れないときでも小さな単語帳があれば、手元に勉強空間をつくれます。
もちろん移動時間以外にも、学校の休み時間など活用できる場面はたくさんあるはずです。1日の中の数分の積み重ねは必ずレベルアップに結びつきます。
地道なことのくり返しですが、積み重ねれば実力は少しずつでも上がるはずです。
視覚だけに頼らない
テキストをただ見続けていても記憶には残りませんよね。効率良く記憶に定着させるために、何かアクションを加えてみましょう。
たとえば声に出して読めば、目と耳の両方に働きかけられます。ノートに書いて覚えようとすれば、動作が加わるので、より鮮明な記憶になりやすいです。
英単語を声に出すと発音も身につきます。リスニング用の教材も同時に活用することでより一層効果が期待できます。
漢字を書き出していれば、書き順も一緒に覚えられます。「書く」こと、「声に出す」ことは記憶への定着に効果的です。
英単語や漢字以外に、もちろん社会や理科でも同じです。視覚以外の感覚をフル活用することは、暗記効率を上げる手段として最適です。
学習範囲を限定する
たくさんの情報を1度に覚えることは簡単ではありません。
少しでも効率を上げるためには、遠回りに思えるかも知れませんが、ある一定の狭い学習範囲を決めて毎日少しずつ暗記をくり返しましょう。
一気に大量に覚えれば覚えるほど忘れる部分もそれだけ増えてしまいます。一気に多くのことを吸収するのではなく、範囲を限定して記憶していくのです。
それを毎日、復習も同時にすることで、確実な知識として定着させられます。
自分に合った覚え方を使う
裏ワザのような暗記方法もいくつかあります。たとえば学校でも歴史の授業などでは語呂合わせを教わることがありますよね。
西暦を学ぶときに数字だけでは覚えづらいですが、おもしろい語呂と組み合わせることで、いつの間にか頭に定着しています。
また、社会人にも人気の暗記方法としてメモリーパレス記憶術というものがあります。人間の脳は場所を覚えることが得意だと言われています。
自室のベッドや机など身近な場所を思い浮かべ、ベッドに1、机に2と番号を振ります。その番号に合わせて記憶したいこと、たとえば英単語を割り振っていきます。
ベッドで「dog」が寝ている、机に「apple」が置いてあるといったように関連付けます。ストーリーにすれば場所と順序に合わせて思い浮かべやすくなるはずです。
暗記の裏ワザには合う・合わないもあるので、自分に合っているか試してみるのもいいと思います。
塾や家庭教師の利用
1人で地道に暗記するのが苦手なら、お友達と問題の出し合いをしても効果的です。
ただ、お友達との勉強はいつでもできるわけではありませんし、ついつい気がそれてしまい、集中力が続かないことも…。
そんな時は塾や家庭教師の利用も有効だと思います。お子さんに合った暗記方法を見つけやすくなりますし、効率を上げるサポートもできると思います。
覚えるだけと思われがちな暗記ですが、勉強の基礎をつくる土台でもあります。自分に合った暗記方法を身につけ、成績アップを目指しましょう。
まとめ
暗記効率を上げる方法を解説しましたが、ご参考にしていただけましたでしょうか。
効果のあるやり方はいくつもありますが、合う・合わないがあるのも事実です。お子さんに合った方法を身につけ、暗記を得意な分野にしていきましょう。
家庭教師のガンバ 今村 剛