高校受験を控える中学3年生にとって、1学期の成績はとても大切です。入試に備えた学習の理解度という点はもちろん、テスト結果等による内申点も高校受験に大きく影響を及ぼします。
そこでこの記事では、次の3点について解説します。
●中3・1学期の成績が大切な理由
●1学期の定期テスト&内申点を上げる5つの方法
●親がすべきサポート
高校受験を控えたお子さんをお持ちの保護者の方はぜひ、ご参考にしてください。
中3・1学期の成績が大切な理由
くり返しになりますが、年度の後半に高校受験を控える中学3年生にとって、1学期の成績は非常に大切です。なぜそんなに大切なのでしょうか?理由として次の3つが挙げられます。
1学期の成績が内申点のベースになる
高校受験を控えたお子さんをお持ちの保護者の方であれば、「内申点」というワードはご存じの方が多いと思います。
内申点とは「内申書」に書かれる、中学校でのテストの成績や授業態度、出席状況などが総合的に評価された点数のことです。内申書は「個人調査書(調査書)」と呼ばれたりもします。
内申点は基本的に中学1年~3年の成績が用いられますが、
- いつからいつまでの成績を用いるか
- 高校入試でどれだけのウェイトを占めるか
などは都道府県によって異なるため、受験する都道府県ではどのようになっているか確認しておきたいところです。
いずれにしても中学3年生の内申点のウェイトが大きいケースが多く、中学3年生の1学期でつまずくと2学期以降にかなり頑張って挽回しなければならなくなります。内申点について、以下に東京都の例をみてみます。
東京都では内申点は主に都立高校の入試で必要になります。
【一般入試の場合】(2025年2月現在)
- 中学3年生の1~2学期の成績を使用
- 比率(第一次募集・分割前期募集)
当日の学力検査(入試テスト)と内申点(調査点)を「7:3」
- 比率(分割後期募集・第二次募集)
当日の学力検査(入試テスト)と内申点(調査点)を「6:4」
参考:東京都教育委員会
このように、東京都の場合は一般的な他府県と異なり、中学3年生の1~2学期の成績が内申点に用いられます。内申点を加味する比率は一次・二次とで異なります。
つまり、東京都では中学3年生の1学期の成績は特に大事ということになります。
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受験勉強のペースをつくる
高校受験のための勉強に取り組む「ペース」を作るうえでも、中学3年生の1学期の成績は大切です。理由として、次の3つが挙げられます。
①自信につながり、モチベーションが維持できる
1学期の成績が良いと、「この調子で頑張れば大丈夫!」という自信につながり、高校受験へ向けた勉強への意欲が高まります。
反対に、思うように結果が出ないと「このままで大丈夫かな?」という不安や焦りが生じ、勉強への自信やモチベーションが低下しやすくなります。
②弱点を早めに把握し、夏休み以降の対策につなげられる
1学期に真面目に取り組んだ結果の成績を振り返ることで、苦手科目や得意科目が明確になり、夏休み以降の受験勉強に対する計画を立てやすくなります。
例えば、数学の計算ミスが多いなら計算力強化を、英語の長文読解が苦手なら読解練習を重点的に行うなど、具体的な対策が可能になります。
③受験に向けた学習習慣を定着させる
1学期に良い成績をとるには、「毎日勉強する」という学習習慣が大切です。これが身に付けば、受験勉強に向けても勉強を継続しやすくなります。高校受験では入試前の短期間の追い込みだけでなく、それまでの継続的な努力が必要です。
1学期のうちに、授業の予習復習・定期テスト対策・模試の活用などの習慣をつけておくと、2学期以降の本格的な受験勉強にもスムーズに移行できます。
志望校選びの指標になる
中学3年生の1学期の成績は、次のような点で志望校選びの指標となります。
・お子さんの現時点での学力を客観的に把握できる
・志望校の合格ラインと照らし合わせられる
・これから志望校を決める際の材料となる
1学期の成績は、現時点での学力を最もわかりやすく示してくれる指標です。今の学力でどのレベルの高校を狙えるのか、また、志望校が決まっている人はそのレベルに対してどうかを判断できます。
例えば、1学期の成績が良ければ「このまま第一志望を目指せる」と自信が持てる一方で、成績が不安定なら「少しランクを下げるか、夏休みで巻き返すか」などの判断材料になります。
特に、公立高校は内申点の割合が大きいため、早めに自分の立ち位置を把握しておくことが大切です。1学期の成績だけでなくこの時期の模試の結果も、志望校選びの指標として合わせて参考にするとより正確に判断できます。
1学期の定期テスト&内申点を上げる5つの方法
ではどのようにすれば中学3年生の1学期のテストや内申点を上げることができるのでしょうか?ここでは5つの方法をお伝えします。
方法1:計画的な学習習慣を定着させる
前の項目でもお伝えしましたが、学習習慣の定着はとても大切です。テスト前に詰め込むのではなく「その日の復習」を習慣化し、少しずつでも毎日の学習を積み重ねることが大切です。
特に1学期は新しい単元が多く、授業の理解度が定期テストの結果に直結するため、復習とできれば予習もしておくとよいでしょう。また、テスト範囲が発表されたら計画をたて、まとめて勉強をせず計画的に取り組みましょう。
【ポイント】
- 少しずつでも復習をして毎日学習を積み重ねる
- 苦手科目は特に重点的に復習
- テスト前はスケジュールをたてて計画的に勉強を進める
方法2:学校の問題集やプリントを徹底活用
定期テストは基本的に学校の授業内容が中心となります。授業で配布されている問題集やプリントを繰り返し解き、基礎をしっかり固めましょう。
授業や問題集、プリントで間違えた箇所は、必ず解き直しをすることで定着させましょう。解き直した問題をノートにまとめておけば、後で間違えやすい箇所をまとめて見直すこともできます。
【ポイント】
- 問題集、プリントは繰り返し解く
- 間違えた問題は必ず解き直す
方法3:テスト前は頻出問題に挑戦
テスト範囲の章末問題や授業中に先生が強調した問題、配られたプリントなどで出題傾向を把握し、効率よく対策しましょう。学校や塾の先生からの情報も活用し、頻出問題を重点的に対策しましょう。
ここでも間違えた問題は解き直しをして定着させましょう。
【ポイント】
- テスト前(1週間前頃~)には予想問題に取り組む
- 間違えた問題を解き直して定着させる
方法4:提出物は必ず出す
お子さんによっては、提出物をきちんと出していない場合があります。学校の課題やノート、プリントなどの提出物は、多くの場合、出さなければ評価がつけられません。
厳しい場合は悪い評価が付けられてしまいます。何であれ提出物は必ず出すようにしましょう。
【ポイント】
- 提出物は必ず出すようにする
- 遅れた場合も、必ず提出する
方法5:授業態度も大切
内申点には授業態度も加味されます。授業中にほかの科目の課題をしたり塾の宿題をしていると、ほとんどの場合でばれています。
また、居眠りや私語などが多い場合も、授業態度が悪いとみなされてしまいます。特別なことをするわけではなく、真面目に授業に取り組むようにしましょう。
親がすべきサポート
保護者の方ができるサポートとして、次の3つのことが挙げられると思います。
学習環境を整える
お子さんが集中して勉強できるスペースを確保することも大切ではないでしょうか。お子さんの性格や感じ方に合わせて、リビング学習が合うのか個室の方が良いのかを、考えたり話し合ったりして決めるといいと思います。
また、スマホやゲームがいつでもできる環境だと、勉強に取りかかりにくくなりがちです。時間などルールを親子で決めておくとよいでしょう。
モチベーションを維持する声かけ
お子さんにとって、保護者が応援してくれている、見守ってくれているとわかるのは、とても心強いものです。
「頑張ってるね」とお子さんの努力を認めるような声掛けをすることで、お子さんは「頑張ろう!」という気持ちが出ると思います。
「勉強しなきゃいけないでしょう」「このままだと志望校うからないよ」と言うように焦らせるのではなく、「こうすればよくなる」といった前向きな声かけが理想だと思います。
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必要に応じて外部サポートを活用
もし、お子さんの成績が伸び悩んでいる場合は、学校の先生に相談し、具体的なアドバイスをもらうのもひとつです。また、家庭学習がうまくいかない場合は塾や家庭教師といった外部サポートの活用も検討してみるとよいのではないでしょうか。
最近ではオンライン学習も増えているため、お子さんに合ったサポートを選択してみてください。
まとめ
この記事をまとめると次のようになります。
- 1学期の成績は内申点・志望校選びに直結する
- 定期テスト対策は計画的に進め、学校のワークや章末問題、プリントを活用
- 提出物や授業態度にも気を付ける
- 保護者の方は環境づくりと声かけでお子さんをサポート
- 必要に応じて外部サポートも検討
お伝えしたように、中学3年生の1学期の成績は高校受験の合否に大きく影響します。ですが、 適切な対策とサポートがあれば、成績を伸ばすことは十分可能です。
保護者としてできることをしっかりサポートしながら、お子さんと一緒に高校受験本番に向けて好スタートを切ってください。
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