英検(実用英語技能検定)は、中学生にとって将来の進学やキャリアに影響を与える重要な資格の一つですが、「中学生のうちに英検を取るべきかどうか」「実際英検を取っていた方が通リなのか」という疑問を持っている保護者や生徒は少なくないではないでしょうか。今回の記事では、高校受験における英検の有用性、取得のメリットやデメリット、さらに英検取得を目指す際の具体的な対策について詳しく解説します。

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英検は高校受験で本当に必要?

英検が高校受験において必要不可欠な資格かと問われれば、答えは「必ずしも必要ではない」と言えます。英検の取得が入試に有利になるケースはありますが、それが決定的な要因になるわけではありません。

英検が評価される場面

  1. 内申点の加点:

    • 英検3級以上を取得していると、内申点が1点または2点加算される学校もあります。
    • 内申点の総合点が45点満点の場合、この加点は非常に小さな影響に留まることが多いです。
    • ただし、この1点が合否を左右することもあり、特に競争率の高い高校では小さな加点が重要になることもあります。
  2. 入試優遇制度:

    • 一部の高校では、英検の級に応じた優遇措置が取られる場合があります。特に私立高校では、英検準2級や2級以上の取得がアドミッションポリシーに組み込まれていることがあります。
    • 公立高校でも、英検を取得している生徒を積極的に評価する動きが増えています。
  3. 試験本番でのスキル向上:

    • 英検の学習過程で得られる英語力が試験本番に役立つことは確かです。
    • リスニングやスピーキングのスキルが向上するため、入試での応用力が上がります。

必要性の有無

英検が直接的に高校受験に影響を与えるケースは限定的ですが、間接的な効果として、英語力の向上や学習意欲のアップが挙げられます。そのため、「英検を取ること自体が目的」ではなく、「英語力を向上させるための手段」として考えるべきだと思います。

英検取得のメリット

  1. 学習意欲の向上

英検は中学生にとって具体的な目標となり得ます。目標が明確になることで、英語への勉強のモチベーションが上がる効果が期待できます。

  • 例えば、英検3級取得を目指すことで、「達成感」や「目に見える成果」を得られるため、学習の習慣が身に付きやすくなります。
  • 定期テストとは異なる挑戦が、学習意欲をさらに高める原動力になります。
  1. 英語力の向上

英検の試験対策を通じて、単語力、文法力、リスニング力、さらにはライティング力が向上します。これらは学校の定期テストや入試でも活かせるスキルです。

  • 英検特有の問題形式を通じて、実践的な英語力を身につけることができます。
  • 特にリスニングやスピーキングのスキルが伸びることで、学校では教わりにくい実用的な英語力を得られます。
  1. 将来的なメリット

高校受験だけでなく、大学受験や留学、就職活動においても英検は評価対象となることがあります。特に準2級以上を取得していると、英語力の証明として活用しやすくなります。

  • TOEFLやIELTSの受験準備にも役立つ基礎力がつきます。
  • グローバル化が進む社会で、早い段階から国際的な資格を持つことは将来の可能性を広げます。

英検取得のデメリット

  1. 時間とコストの負担

英検の受験料や試験対策にかかる時間は決して少なくありません。他教科の学習時間が削られる可能性もあるのでデメリットになってしまうこともあるかもしれません。

  • 英検3級の受験料は4,800円(2024年時点)で、さらに教材費や模擬試験費用も考慮する必要があります。
  • 部活動や他の学習との両立が難しくなるケースもあります。
  1. 過度なプレッシャー

英検を取らなければならないというプレッシャーが生徒に過度な負担をかける場合があります。特に3級以上を目指す場合、難易度が高くなるため簡単には合格できません。そのため、不安や焦りを感じることもあるかもしれません。

  • 合格が目標となりすぎて、学習の本来の目的が見失われることがあります。
  1. 成果が限定的

一部の高校では英検の取得が加点されないため、期待したほどの効果が得られない場合もあります。

  • 入試制度が変わる可能性もあるため、英検の効果を過信することはリスクがあります。

どのタイミングで英検を目指すべき?

中学生における一般的な取得目安

  • 中1: 5級や4級に挑戦。英語の基礎力を固める時期。
  • 中2: 4級または3級を目指す。英語力の幅を広げる段階。
  • 中3: 3級や準2級を目標に。高校受験のための実践力を養う。

無理のないステップアップ

生徒の学力に応じて、無理のない範囲で級を上げていくことが重要です。例えば、学校の定期テストで平均点以上を取れるようになってから、英検の受験を検討するのが理想的です。

  • 無理なく学習を進めるために、スケジュールを事前に立てることが重要です。

英検対策の具体例

  1. 学校の勉強をベースに:

    • 英検対策は学校の英語学習と大きく異なるわけではありません。定期テストの勉強を基盤に、英検特有の問題形式に慣れる練習を追加する形が効果的です。
  2. 過去問演習:

    • 英検公式の過去問題集を使って実践練習を積むことで、試験形式に慣れることができます。
    • 過去問を繰り返し解くことで、出題傾向を把握し、効率的に点数を上げることが可能です。
  3. リスニングとスピーキングの強化:

    • リスニングやスピーキングは定期テストでは軽視されがちな分野です。英検ではこれらのスキルが重要視されるため、専用のアプリや教材を活用して対策しましょう。
    • スピーキング練習は家庭教師やオンラインレッスンを利用することで効率的に行えます。
  4. 家庭教師や個別指導塾の活用:

    • 専門的な指導を受けることで、効率的にスキルアップを図ることができます。
    • 個別指導では生徒の弱点を重点的にカバーできるため、効果的な対策が可能です。

最終的な判断基準

英検を受けるべきかどうかは、生徒一人ひとりの目標や状況によります。以下のポイントを参考に検討してください。

  • 英語に苦手意識がある場合:

    • 英検の勉強を通じて基礎力を養う。
  • 英語が得意な場合:

    • より上の級を目指すことでさらなる成長を促す。
  • 他教科とのバランスを考慮:

    • 英検対策が他教科の学習に影響を与えないよう注意。
 

まとめ

英検は高校受験において「必要不可欠な資格」ではありませんが、取得することで得られるメリットは大いにあります。特に英語力の向上や学習意欲のアップといった付随する効果は大きいと思います。ただし、取得を目指す場合は無理のない範囲でステップアップし、生徒自身の学力や目標に合わせた計画を立てることが重要です。

最後に、英検取得は目標の一つに過ぎません。英語力を高めること自体が本来の目的であることを忘れずに、柔軟に取り組んでいきましょう。

保護者の皆様へ

お子様の英検取得をサポートする際は、プレッシャーを与えすぎないよう注意してください。無理のない目標設定と計画を立て、英語学習を楽しめる環境作りを意識しましょう。また、学校や家庭教師と連携し、効率的な学習をサポートすることで、お子様の成長を最大限引き出すことができます。

 

家庭教師のガンバ  今村 剛