千葉県の高校受験の場合は、内申点がとても重要になる場面があります。受験対策や普段の勉強など、何から手をつけていいのかわからず、焦ってしまうこともあるのではないでしょうか。慌てず、落ち着いて対処するためにも、まずは高校受験の仕組みを学び、入試のシステムを理解しましょう。

その上で、自分に合った受験方法を確認してみましょう。

公立高校の入試制度

千葉県の公立高校入試は、2021年度まで前期と後期の選抜がありましたが、しかし2022年度からの入試選抜は1回のみになりました。

各校で選抜方法が異なるので、事前にチェックしておきましょう。

学力検査と各校が定める検査

千葉県の公立高校では2日間かけて学力検査を行います。

受験の1日目は国語・数学・英語、2日目が理科・社会でそれぞれ100点満点となっています。中には、国際系や理数科の場合、英語や数学の配点を高くする高校もあり、受験の2日目は学力検査のほかに、各校が個別に定める検査も受けることもあります。内容としては、たとえば面接や集団討論のように、コミュニケーション能力などを見る検査だったり、作文や小論文などの記述式や、自己表現のテストなどもあります。

また、適性検査や学校独自の問題出題などもあり、このうち1つ以上の検査を実施することになりますが、検査の配点は高校によってそれぞれです。

リスニング問題

リスニング問題というと英語が定番ですが、千葉県の公立受験の場合、国語のテストでもリスニング(聞きとり)問題が出題されかなり特殊です。

英語のテストは試験時間が60分ありますが、国語の場合は他教科と同様に50分です。ここにリスニングも含まれるため、国語のテストでは時間配分が重要になります。ただでさえ国語は文章題が多く、解答時間が足りなくなりやすいです。

万全の受験対策をするには、時間の使い方にも自分なりの工夫が欠かせません。

内申点について

受験で利用されるのは、1年から3年までの内申点で、評価の対象となるのは主要5教科と副教科の4教科です。9教科をそれぞれ5段階で評価するので、満点の場合は135点になりますが、入学者の選定のため、内申点をどの程度の割合で利用するかは高校によります。

参考までに内申点の割合の決め方のお話をします。

各校はそれぞれ0.5から2までの範囲で、Kの値という数値を定め、内申点にはKの値をかけ、そこに部活などの記載事項から判断された点数を加点します。ちなみに、Kの値の傾向としては、K=1とする高校が多いようです。内申点をどれだけ重視するかにより、高校によってKの値を上げたり下げたりします。

Kの値が1以上である場合は特に、3年間のトータルの成績が重要になってきます。

選抜方法のパターン

入学者の選抜方法は、基本的に2つのパターンがあります。

1つ目は学力検査、各校が定める検査、内申点の得点の総合点数で選ぶ方法で、合計点数が高い方から順に合格者が決まります。

2つ目のパターンは2段階選抜です。

第1段階として、たとえば定員の8割については通常の総合得点順に合格者を選定し、残りの2割についての選抜を第2段階とし、内申点や個別検査の評価割合を増やします。学力検査だけではなく、内申点や検査を重視することで、高校ごとの特色が出るのです。

学区制とは

千葉県の高校受験は学区制です。

第1学区から第9学区に分けられていて、住居がどの学区にあるかによって、受験できる高校も異なりますが、自分が住んでいる学区であればどの高校でも受験可能ですし、居住区域の隣にある学区の高校も受験できるので意外と広い範囲から志望校を決められます。

なお、市立高校はほとんどの場合で、受験できるのは市内の受験生のみです。

その一方で県外からでも受験できる高校があります。受験可能な高校かどうか、事前によく確認しましょう。

私立高校の入試制度

千葉県の私立高校入試は、前期選抜と後期選抜の2回に分かれていて、後期選抜は基本的に3教科の入学テストや面接です。

しかし近年はほとんどの入学者が前期の入試で決まります。前期選抜には一般入試と推薦入試があり、単願か併願かでそれぞれ特色があります。

一般入試と推薦入試

私立高校の一般入試は、学力テストによる選抜が基本です。

大半は3教科で試験を実施しますが、高校によっては5教科必要な場合もあり、高校や学科によって出題なども異なるため、志望校の試験の特徴は理解しておきましょう。

内申点などを評価に入れず、テストの得点だけを見る「オープン入試」という制度もあります。中学3年間の成績に自信がないなどの場合にも利用しやすい受験方法です。

次に推薦入試の場合、中学の校長による推薦を受けて受験するのですが、面接や作文、内申点により評価されるほか、学力検査を実施する高校もあります。学力を重視する高校が増えているのが近年の傾向です。

また、学校推薦だけではなく自己推薦が可能な高校もあります。推薦には高校が提示する要件があり、これを満たせば誰でも利用できます。この要件のことを推薦基準と言い、大部分は内申点で決まります。

詳細は各校で異なるため、事前によく確認しておきましょう。

単願と併願

単願で受験した場合は、合格したら必ずその高校に入学する必要があるので、その高校が第1志望である場合にのみ、単願で入試を受けられます。推薦基準は併願よりも低くなっているため合格しやすいです。

公立高校や他の私立高校が第1志望である場合は、併願で受験することになります。推薦併願を実施する高校は、他校の合否結果を待つことが多いのも特徴です。

高校入試のスケジュール

公立と私立では受験スケジュールが異なります。各校の入試制度によっても違いがあるため、間違いのないように備えましょう。

公立高校

公立高校の願書提出期間は2月上旬から中旬にかけてで、入試は2日間かけて行い、2月下旬に実施されます。合格発表は入試日の1週間ほど後なので、3月上旬ごろになります。以前は2回の受験チャンスがありましたが、2022年度からは一発勝負です。

志望校の倍率が想定より高かった受験者のために、志望校を変更することもできます。

私立高校

千葉県の私立高校は、1月上旬から中旬までに願書受付を終了するところが多いです。受験の前期日程は1月の中旬から下旬ごろ、後期は2月中旬ごろが一般的になっています。また、千葉県の公立高校を受験する場合、隣県や都内の私立高校を併願する人もいます。

都内の私立高は1月下旬や2月に推薦や一般の入学試験を実施することが多く、他県では1月上旬に推薦入試を行う場合もあります。県外の私立高校を志望しているのであれば、日程をより正確に把握しておきましょう。

まとめ

千葉県の高校受験についてご理解いただけたでしょうか。内申点がどのように反映されるのか知っておかないと受験期に取り返しがつかないことになってしまいます。早めに受験の情報を調べ、準備は進めて行きましょう。塾や家庭教師などをやっている人は、先生に早めに相談した方がいいと思います。

早め早めの準備を心がけるようにしましょう。

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家庭教師のガンバ  今村 剛