いまや、小学生から始めている人も多いタブレット学習、その効果と人気の秘密を探ってみました。タブレットを学習に取り入れるメリットやデメリット、効果などをご紹介します。

タブレット学習が人気の訳。その秘密は?

タブレットを使って家庭学習をする子供が増えています。小学生から、高校生まで幅広い年齢層に普及しています。特に、小学生では勉強を習慣化したいという親の希望があり、タブレットを使うことで子供の勉強への抵抗が減らせるという点が魅力です。

人気を集めている理由はそれだけではありません。これまでの勉強法との違いをまとめました。

勉強している感じがしない!

タブレットは、子供にとってゲームをする感覚で勉強に取り組めます。親がどれだけ子供に勉強しなさいと言っても、やる気がないとなかなか続きません。子供も、無理矢理やらされているという感じになります。

子供に楽しく勉強に取り組んで欲しいという場合にもタブレットはぴったりです。自分からやるという事が一番大切ですが、一番難しいことでもあります。勉強に対して苦手意識があると、勉強が嫌いになってしまい、分からなくなり、ますますイヤになるという悪循環にもなります。

ある調査によると、小学校で「勉強がきらい」と答える子も多く、年齢が上がるにつれてその割合も高くなることが分かりました。

なるべく早いうちに、勉強に対しての抵抗をなくして、楽しいものだと思ってもらうためにも、工夫が必要です。ゲーム感覚で、楽しく遊んでいるうちに身につくというのがタブレット学習の特徴です。

自分から、やりたいと思えるのは重要です。また、楽しみながらでき、毎日やりたくなるので、継続する力も持てるようになります。

空き時間を有効に使える!

タブレットでの学習は、短い時間でできるというのもポイントです。長い時間続けるより、短い時間に分けて何回か学習するほうが効率的に身につくという調査結果もあります。

小学生では、集中力も長くは続かずに勉強の最中なのにボーっとしたり、気が散ってしまうこともあるかと思います。タブレット学習のプログラムでは、1コマが10分~15分という短い時間で設定されています。

小さな子供でも、集中して取り組めるように工夫されているのです。1つのコマを終わらせることで、達成感もあり、もっとやりたいと感じるようになります。ゲームなどと同じで、だらだらと長い時間をかけるものよりも、短い時間でどんどんと次のステージに進んでいくほうが飽きずに続けることができるようです。

また、短時間で区切ることができるので、少しのすきま時間があれば勉強ができます。習い事までのちょっとした空き時間なども有効に使うことができるので、本人にとっても親にとっても、効率的なのではないでしょうか。

タブレットがあればどこでも勉強できる!

タブレットは持ち運びができるので、どこでも学習ができます。外出先で何もせず、大人しく待っているというのは小学生にとってはかなり難しいことです。

そんな待ち時間でも、ゲームをするように勉強ができます。短い時間で楽しくできるので、勉強をしなくちゃ!という意識もなく自然に取り組むことができるはずです。

タブレットひとつあれば、教科書やノート、鉛筆、消しゴムなど、道具を用意する必要もなく、片付けも不要というのは、子供にとっても、親にとっても大きなメリットではないでしょうか?

「勉強しなさい」と言われて勉強し、やっと終わった後に「片付けなさい」と言われると、常に命令されているように感じてしまいます。口うるさく言うのはお互いにとって、あまり良いものではありません。

音声や動画があるのでメリハリがある!

紙の教科書との大きな違いに、動画や音声で解説があるという点があります。今までの教材でも、大きな図や絵で分りやすく説明はありましたが、どうしても分りづらいものもあります。

実際、算数の図形の問題などは、見る方向によって形が変わるものもあり、平面の動かない図では理解できないこともありました。

その点、動画なら色々な方面から見ることができますし、説明も目と耳で理解しやすくなります。自分の好きなように図形を動かすことも可能です。分からない場合は、何度でも解説を見ることができます。子供も、教科書の説明文を読むよりも、アニメを見るような感覚になるので、頭にすっと入ってくるはずです。

データ通信で分析やオリジナルプログラムもできる!

また、データ通信を使うことで細かなデータ分析が可能です。多くのデータをもとに、子供がつまずきやすい問題を分りやすく説明したり、個人の得意なところ、苦手なところを分析して、苦手な部分を集中的に勉強するなどができます。

全ての問題をまんべんなくやるよりも、苦手なところを克服することで効率的に学習できます。子供も、自分の得意・苦手を理解することで学習方法などにも活かせます。タブレットを使えば、間違えた問題を繰り返し解くこともできます。

個人に合わせてさまざまなプログラムを組むこともできます。受験に合わせた問題をやりたい、算数の引き算を集中的にやりたいなど、好みによって問題を決められます。その子が、今やるべき問題を自動に出題することもできます。今日はどんな問題があるのかな、とワクワクする気持ちも持てるようになります。

添削や答えあわせも簡単!

問題を解いたあとの、答えあわせも自動ですばやくおこなえます。従来の紙の問題集では、親が答えあわせをしてあげなければならないという問題もありました。忙しい中で、答えあわせをするのも負担に感じているという親も多いのではないでしょうか。

タブレットなら問題を解けばすぐに答えが分かります。また、間違ったところは、どのようにすれば良いのかという解説も分かりやすく見られます。

コミュニケーションツールとしても使える!

ほかにも、親が子供に対して勉強の感想や、励ましの言葉をかけられる機能が付いているものもあります。がんばったね、よくできたねと褒めることで、子供も嬉しくなります。

言葉で伝えるのも良いですが、目に見えるとやる気も出ます。親子のコミュニケーションのツールにもなります。スマートフォンであれば、文字での会話が可能なので、遠くに住んでいるおじいちゃん・おばあちゃんから褒めてもらえることもできます。

おじいちゃん・おばあちゃんにとっても、孫と会話ができて、孫の勉強を見守ることができるというのは、大きな魅力です。親のスマートフォンで子供の学習状況が分かるものもあるので、どれだけやったかと毎回確認する必要がないのも嬉しいポイントです。

タブレットを使った学習は小学生に向いているのはもちろん、中学生、高校生になっても使えます。その都度、参考書を買うよりも経済的で収納のスペースも必要ないので、親にとっても良い点がたくさんあります。

タブレットやアプリを使った結果、その効果はあるのか?

タブレットや学習用のアプリを利用すると様々なメリットがあることが分かりましたが、実際にその効果はどのようなものなのでしょうか?

タブレット学習をして効果を感じたという意見は多くあります。ますは子供がやる気になったということが一番に挙げられます。いつも勉強しなさいとうるさく言っていたけど、タブレットを使うようになって自分から取り組むようになった、毎日タブレットを使って勉強をするのが習慣になった、などがあります。

学習塾に行かせるという家庭もありますが、送迎が負担になったり、子供が行きたがらないということもあります。その点でも、タブレットなら自宅でできますし、好きな時に学習することができます。塾よりも、料金が安くすむというのも親にとっては嬉しいポイントです。

また、親が勉強を教えることもあるかもしれませんが、分からない時にはついイライラしてしまったり、うるさく言ってしまう場面もあるかと思います。分かりやすく説明しているつもりでも、子供にとっては理解できないこともあります。

タブレットを使えば分からないところは解説を見ることができます。学習のプロですから、ポイントを絞って分かりやすい説明となっています。親もムダにイライラすることも少なくなり、子供にとっても良い点です。

従来の紙の学習とタブレット学習を比較すると、どちらにも良い点、劣る点があります。タブレットを使うと子供はゲーム感覚で楽しく勉強ができます。また、動画などを見ることで理解しやすくなります。

一方、紙を使った学習では、細かい事を理解しやすいと言われています。小さな誤字などは、ディスプレイよりも紙の方が気がつくと思います。学習でも、紙の方が細かいことを理解するのには向いています。

また、手を動かして自分でノートに書くことで記憶に残りやすく、物事を整理しやすいという点もあります。それぞれの良いところを活かして学習に取り入れていくのがベストなのかもしれません。

メリットだけじゃない、上手にとりいれて子供のやる気を引き出しましょう

タブレットを使った学習にはデメリットもあります。実際に使ってみたけど、デメリットを感じているという親の意見もあったので紹介していきます。

漢字は紙で何度も書きながらの方が覚えられるという意見がありました。年号を覚える、星座を覚えるのはタブレットでも充分ですが、やはり漢字は実際に自分の手で書かないと覚えられない子供が多いようです。

タブレットでは、選択式の問題も多くあり、よく理解していなくても正解となることもあります。しっかりと覚えたいという時には、原始的なやり方ですが自分の体を使うほうが効果的です。

タブレットによっては、勉強したご褒美としてポイントがたまり、そのポイントに応じてゲームができるものがあります。子供にとっては、ごほうびがあることでやる気も出てきて、目標に向けて頑張ろうとなりますが、ゲームの方が楽しくなってしまい勉強ではなく、ゲームばかりしてしまうということもあります。

また、最初のうちは物珍しく、積極的に取り組んでいても、そのうち飽きてしまってやらなくなってしまう子もいるようです。これは、紙のドリルでも同じかと思いますが、やはり続かないというのは、どの学習法でも起こることです。

子供によって、タブレット学習が向いている子、紙のドリルの方が良い子など様々です。やってみないと分からないので、難しいところですが、子供の様子を見ながら決めていく必要があります。

楽しくてどんどん進めてしまうために、学校の勉強のペースと合わなくなってしまったパターンもあります。タブレットは自分のペースで学習できるのがメリットですが、一方で、コツコツとゆっくり進めるというのが難しいという点もあります。

タブレットの学習が楽しすぎて、学校ではやっていないとろこまで進んでしまって、復習として効果がなかったという声もありました。

タブレットを長時間使用することで、視力の低下などの健康面を心配する親もいます。ディスプレイをずっと見続けることは、ゲームをやっている事と変わりありません。目が疲れてしまうので、適度に休憩が必要です。

タブレットを見ていると姿勢が悪くなることもあります。紙の勉強でも同じですが、つい猫背になってしまいます。正しい姿勢で学習することが大切になります。

問題を解くと、答えあわせがすぐにできるのは良い点でもありましたが、自分でよく考えずに分からなければすぐに答えを見てしまうこともあります。自分でどのようにしたら良いか考える力が育たないという意見もあります。手軽で簡単という点は、メリットでもあり、デメリットでもあると言えます。

学習塾などでも、タブレットを取り入れているところが増えてきています。塾でタブレットを使うのは、子供のやる気を引き出すだけではなく、人材が少なくても済むという塾側のメリットもあります。

分からないところは、分かりやすく解説をしてくれますが、ちょっとした細かい疑問などは、直接先生に聞いた方が良いこともあります。講師の不足などで、仕方がない面もありますが、先生と共に試行錯誤しながら答えを導き出すというのも、学習にとっては重要なことです。

学習方法に、これと言った正解はありません。子供の学習は個人差がとても大きく、得意・不得意も分かれます。できれば、子供それぞれに合った方法で学習していければ良いのですが、やってみないと分からないこともあります。

タブレットも、教科書を使うものよりも取り組みやすいという点がありますが、最初のうちだけですぐ飽きてしまう子も多いのが事実です。

指導者によっては、紙と鉛筆を使ってこそ覚えられると断言している人もいます。インターネットが普及して、分からないことはすぐに調べられるので、考える力が低下しているという意見も多くあります。子供がタブレットを使って学習することで、同じように試行錯誤する力がなくなってしまう可能性もあります。

ベストなのは、子供の傾向を見極めて、タブレット学習と紙の学習を上手に取り入れることです。たとえば、算数はタブレットを中心にする、国語はドリルを使うなど両方の良いところを活かせると良いですね。

親だけで判断するのではなく、子供にも意見を聞いて、要望を聞くことも大切です。

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まとめ

タブレット学習について見てきました。デジタル化が普及して、学校でもデジタル教科書を利用したり、パソコンを使った授業が広がってきています。タブレット学習は、紙の勉強にはない良い点もたくさんありますが、一方でデメリットもあります。

何事も、全てが良いというのはありません。子供に勉強を楽しくして欲しいという思いはどの親も同じだと思います。子供の個性や希望に合わせて、上手に取り入れていけると良いですね。

ガンバ  竹田 一成