アメリカの大学受験制度とは?
アメリカの入試の概要
アメリカの大学受験の機会は、年1回のセンター入試および個別入試で合否を決める日本と異なり、
年に複数回用意されています。
これは、アメリカではセメスター制(2学期制)やクオーター制(4学期制)が採用されていることが関係しています。
多くの大学ではSAT Ⅰ、ACTという統一試験の受験を要しますが、この受験機会は年に数度設けられています。
学生は自分のタイミングで、または納得のいく点数がとれるまで受験を行います。
入試の方式は、大きく3つに分かれます。
①基準以上入学型(Selective)では、ハイスクールでの特定科目の履修と学業成績、
および適性試験(SAT ⅠまたはACT)の成績等で、その学校の基準を満たした者を全員入学とします。
多くの州立大学がこれにあたります。
②競争型(Competitive)は入学希望者が定員を大幅に上回るために、
高いレベルの学力や特定の資格を持つ者を選抜するもので、一部の有名大学などで行われています。
③開放型は成績の基準を特に設けず希望者全てを入学させるもので、
短期大学(コミュニティカレッジ)などで行われています。どの方式でもハイスクールの卒業資格は必要です。
適性試験の詳細と日本との比較
進学適性試験であるSAT ⅠまたはACTについては、
大学がテストを指定している場合、どちらを受験してもよい場合などがあります。
各テストの内容を見てみますと、SAT Ⅰでは言語領域と数理領域の2領域があり、
ハイスクールでの教育とは直接的な関連を持たず、進学後の成功可能性を評価するものとなっています。
ACTは英語、数学、読解、科学的推論の4領域からなり、
ハイスクールでの学習の成果を測定することを目的としています。
回答はどちらも基本的にマークシート多肢選択式です。
日本との大きな違いは、やはり受験機会の多さでしょう。
一度不合格となっても、例えば3ヶ月後などにまた入学の機会がありますので、
アメリカには年単位の浪人生というものは存在しません。
日本でも入試制度の改革が検討されていますが、統一試験を年に数度受験可能とすることなどは、
受験生のプレッシャー軽減や、一発勝負による不均衡の是正といった効果がありそうです。