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家庭教師のガンバ石川尚子先生特別執筆「メルマガ講座」>【第10回】夏休みに遊んでばかりで勉強しない子どもにどう対応する?

【第10回】夏休みに遊んでばかりで勉強しない子どもにどう対応する?

夏休みはいかがお過ごしでしょうか。時々、実家に帰ると、小学生の甥っ子たちと過ごす機会があります。「おばちゃん!遊ぼう!」と、まだ無邪気に声をかけてくれる年齢です。たまに会う私は、そんな様子をとてもかわいらしいと思いますが、いつも一緒にいる親はそういうわけにはいかないのでしょう。
「その前に勉強でしょ?」
「宿題あるでしょ!先にやって!」
「遊んでばっかりだと、後で困るよ!」
 と、たちまち、お母さんの怒声が響きます。「それを言ってもやる気になれないんだけどね~」という話を以前もしていたはずですが、遊んでばかりいる姿を見ると、親としては、どうしても言いたくなってしまうようです。

■まず、穏やかな口調で話す

こんな時、職業柄か、私はつい、コーチングを試したくなってしまいます。
「Aちゃん、宿題って何があるの?」
まずは、穏やかに質問です。声を荒げてしまうと、それだけで、子どもはもう聴く耳を持てなくなってしまいます。とはいえ、どんなに穏やかに質問しても、最初から、やる気スイッチが入るわけではありません。
「え~?宿題~?いろいろ~」
と答えながら、甥っ子Aは、まだ遊びに夢中です。
「いろいろあるんだね。おばちゃんも宿題があるんだよね。Aちゃん、一緒にやろう!」
そう言って、私が自分のカバンの中から手帳を取り出すと、ちょっと興味を持ち始めます。
「何?何があるの?オレの宿題はね・・・」
机の上のものを何やら取り出し、広げ始めました。
「へぇ~、本当にいろいろあるね~。どれからやるの?」
「う~ん、今日は漢字ノートかな」
「どんなふうにするの?」
「このプリントの漢字をここに書く」
「どこ?」
「ここ!」
そんなやりとりをしているうちに、宿題に取り組み始めます。あとは、承認の言葉をかけながらどんどん促すだけです。
「へぇ、こんな漢字書けるんだね。スゴイね!」
「うん!これも書けるよ!」得意になって、どんどん進めます。

 声を荒げず、「やるよね」という前提で質問を投げかけていくと、「やりなさい!」と怒鳴るよりも、ずっと早いように思います。まず、穏やかに声をかけ、一緒に座ってみる。それが、勉強モードへのスイッチです。「うちの子には無理!」と最初から決めてかかると、うまくいきません。あくまで、「やるよね」という前提で声をかけることがコツです。

■勉強は楽しいものと感じさせる

以前、あるコーヒーショップで、小学校低学年ぐらいの男の子が、自分の膝の上に、活字しか書かれていない本を広げて、食い入るように読みふけっている光景に出会いました。ゲームやマンガに熱中する子どもはよく見かけますが、「いまどき、こんなに楽しそうに読書をする子どもがいるんだ!」と感動しました。
男の子の向かいには、お父さんと思われる若い男性が、同じような顔つきで、分厚い文庫本に没頭されていました。親子で向かい合って、読書を楽しむ光景に、私はすっかり魅了されてしまいました。スマホやゲームではなく、熱中しているのが紙の本だったというだけのことなのですが、活字離れが言われる昨今、活字を貪るように読む親子の姿に、思わず胸が熱くなりました。
子どもに「勉強しなさい」という大人は多いですが、そう言いながら、大人がビールを飲みながら、テレビを見ていたら、勉強する気など起きません。子どもに勉強させたかったら、大人が勉強する姿を見せることが一番の近道ではないかと私は思います。しかも、「嫌々するもの」ではなく、「楽しいもの、おもしろいもの」として熱中していると、子どもも「やってみたい」と、自然と思うのではないでしょうか。
 夏休みの時期だからこそ、一緒に図書館に出かけてみる、コーヒーショップで並んで教科書を広げてみるのも、良いきっかけとなるように思います。





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