脱ゆとり教育で変わったこと
ゆとり教育から脱ゆとり教育へ
ゆとり教育、という言葉があります。
これは、多くの知識を習得することを最も重視していた、
詰め込み教育による生徒・教師相互の負担を軽減する
という名目のもとに掲げられた政策で、
学習量を少なく調整するなどして2002年より実施されていたものです。
しかし、それによって、子どもの学力低下が顕著化するという事態になり、
「脱ゆとり教育」へと動き出すことになりました。
ゆとり教育とも詰め込み教育とも違う…?脱ゆとり教育とは
ゆとり教育から脱ゆとり教育に向かう改定案が文部省から発表されたのは、
2008年・2月のことでした。
2011年度の実施を目指して取り決められたこの改定案は、
ゆとり教育とも詰め込み教育とも異なる、
新たな教育の指針を示すものであるとして、
各教育機関や、義務教育課程のお子さまがいらっしゃる家庭から、
大きな注目を集めました。
では、ゆとり教育から脱ゆとり教育へと移行したことで、
実際にはどのような変化があったのでしょうか。
ゆとり教育と脱ゆとり教育との大きな違い
脱ゆとり教育では、ゆとり教育の核となる部分であった、
2つの授業の総合時間が削減されています。
そのうちの1つは、「総合的な学習の時間」。
これは、子どもの自主性を育てるために設定されたもので、
どのような学習内容を執り行うかは、各学校での判断にゆだねられています。
もう1つは、「選択教科等」の時間。
選択教科は、主に中学校の学習課程に組み込まれているもので、
2年生で1教科・3年生で2教科を履修することが求められています。
この2つの授業時間数を大きく削ったことにより、
必須5科目の総合授業時間を10%増加させることにつなげようと考えるのが、
脱ゆとり教育のメインテーマとなっています。
また、理数系科目の学力低下を回復させる目的により、
小学校では算数の授業時間を142時間・理科の授業時間を55時間増やすことと定め、
ゆとり教育で消失した台形面積を求める計算などの学習が再び加わりました。
中学校では、数学において二次方程式が、理科では遺伝子、
イオンについての学習などが加わっています。
このほかにも様々な変更点を学習の現場にもたらした脱ゆとり教育です。
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