算数と数学の違いについて
算数と数学は違う
算数と数学の違いについては諸説あります。
一説によれば、両者の違いは次の点にあるとされます。
・算数で求められているもの
計算の正確さと単位・割合・面積などへの理解。
・数学に求められているもの
答えに行き着くまでの過程、すなわち「論理の正確性」。
多くの場合、算数は答えを間違えると得点はゼロになります。
しかし、数学は考察の過程が重視されているため、
最終的な答えが間違っていても得点を得ることが出来ます。
算数では結果が重視され、数学では過程が重視されます。
別の説では両者の違いは次の点にあるとされます。
・算数=数と数を取り扱って計算すること。
・数学=その数がどの様な意味を持つか、あるいは世の中の現象を
数を使ってどう表現するかという学問。
この定義に従うと、小学校で習う鶴亀算は数学になります。
算数と数学は本質的に同じ
それに対して算数は「数学の入門編」という考え方もあります。
数学の定義の一つは「数および図形についての学問」です。
この考えに立つと、算数と数学は名称が違うだけで、
本質的な違いはないということになります。
そうすると、数学は算数を観念的、抽象的にしたものに過ぎません。
しかし、現在、数学は簡単には定義出来なくなっています。
19世紀にヨーロッパで集合論が提起されてから、
「数学とは何か」が問い直され始めました。
これを数学基礎論と呼びます。
その後、数理哲学も発展しました。
数理哲学は、数学の対象、方法、文化史的な価値などを
研究する学問です。
こうなると、数学はもう「数および図形についての学問」
という簡単な定義では捉えきれなくなります。
そうすると算数と数学の違いもはっきりしなくなります。
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